初心の趣

カメラ初心者が石川県を中心に撮った写真をのんびりと綴っています。

水道週間の日曜日、末浄水場では水道フェスタだった

以前、末浄水場に迷い込んだ話をこのブログ上で綴ったが、その時、こんな情報も案内人の方に教えてもらっていた。

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「かなざわ水道フェスタ in 末浄水場」だ

 

6月1日から7日までの一週間、全国的に「第58回水道週間」なるものが実施されていた。

厚生労働省都道府県や市町村の水道事業体などによって水道のことについて知ってもらうため、様々な広報を展開する一週間である。

 

石川県金沢市にある末浄水場では、6月5日に上記の水道フェスタを行っていたのだ。

 

 

普段入れないところに入れる

浄水場は国により名勝として指定されており、その庭園は年中開放されていると以前の記事で書いたが、今回の水道フェスタでは普段は入れない沈殿池やろ過池の側、浄水処理場の中などを見学できるツアーもあった。

言うなれば前回迷い込んだ時のその続きを案内してもらえるわけで、参加しない手はないので参加することにした。

そのときはまだお客さんの数も少なく、浄水場の方に案内されたのは自分と、もう一人60歳は過ぎているであろうご老人の二人だけだった。

 

ただ、実を言うと、この浄水場施設内ツアーよりも行ってみたいツアーが他にあった。それは「上寺津発電所の見学ツアー」というもので、自分にとってはこのフェスタに足を運んだ一番の目的がそれだった。この老人と自分は、受付で並んでいながら目の前で定員オーバーとなって次の時間に参加するしかなくなった。言うなれば二人は「はぐれ仲間」だった。見ず知らずの方であったが、仲良く浄水場施設内ツアーに予定を変更したのである。

 

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まずは緩速沈殿池を見学

 前回も記しましたが、緩速ろ過はゆっくりと凝固剤を使わず砂や砂利、微生物だけでろ過していく方法です。

もちろん、ここも普段は入ることができない。

このプール(池)、水がいっぱいになると深さが6メートルくらいに達するそうだ。

 

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運良く水が抜いてあったプールもあった

この状態はかなり珍しいことらしい。

 

真ん中あたりに見える青いドラム缶のようなものは、水に浮くものだそうで、水面に浮き上がってきたゴミなどを吸い込んで処理するという。

 

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このように水かさが増えれば一緒に浮き上がってくる

 

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続いては「急速着水井」へ

着水井は用水から取り入れた水の質や量を調べるところです。

前回、この浄水場に迷い込んだ際に、最初に歩いていた遊歩道の用水から水を引いています。

今更ですが、あの用水の名前、「寺津用水」というそうです。

 

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急速着水井の施設の前にあるこの階段の上に用水が流れています

 

急速着水井の施設に入ると…

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金魚がいます

寺津用水から取り込んだ水に、もし万が一悪い物質などが入っていないか、金魚を観察することで調べているそうです。

封建時代で言えば、毒見役みたいなものですな。

しかも、カメラが上部に設置されていて、24時間監視。金魚の活動が止まったり異変があると、バルブが勝手に閉まるそうです。

 

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小さなゴミなどが沈みやすくするため薬品を入れるのだとか

 

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隣には濁度計も

いわゆる泥水で値が50~100くらい。

この数値を見て、混ぜる薬品の量を調整するそうです。

 

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写真には写ってませんが「1」とちょっとの数字でした

低いほど澄んでます。

山の方にあまり人がいないからか、金沢の川や用水の水はかなりキレイなんだとか。

大阪とかは琵琶湖から水を引いているそうだが、もう少し値が高いらしい。

金沢はキレイな分、浄水がラクな方だとも言っていた。

 

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これは薬品撹拌機

 「撹拌(かくはん)」って聞き慣れない言葉だと思いますが、要するに「かき混ぜる」です。

水と薬品を混ぜ混ぜしてます。

 

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外に出てフロック形成池を見学

フロックとは、ゴミを薬品で固めて出来た塊のこと。

薬品で固めてしまうのは、急速ろ過方式の一つの特徴です。

水の中に水車があって、ここでも撹拌。

混ぜあわせることで汚れを「成長」させています。

ただ、やはり寺津用水の源水がキレイなので、あまり汚れが見えない…

水を飲む市民としては嬉しいことだが、浄水場見学という点ではやや寂しい。

 

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ということで隣には「急速沈殿池」もある

緩速沈殿池同様、汚れを下の方に沈めています。

緩速はゆっくり沈めてましたが、急速の場合、フロックが沈みやすいため、沈殿させる時間を短縮できます。

左手側に進めば進むほど、汚れが下の方に沈み、プールがじょじょに澄んで見えました。

たまにですが、沈んだゴミが発酵して浮かんでくることもあるそうだ。

実際、その日、いくつか浮かんでいたのだが、嘔吐物の塊みたいだったので写真に撮るのはひかえた。

沈んだ汚れ、専門用語で「汚泥」というらしいが、それをプールの水をぬいてキレイにする仕事もあるそうで、想像すると大変だ。

 

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そして前回は庭園の方から眺めていた緩速ろ過池のエリアにも足を踏み入れる

我々二人だけのためにチェーンのバリケードをどかしてくれるのだから、何だかVIPな気分になれた。

 

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これが緩速ろ過池エリア内からの景色

地味といえば地味だが、貴重な眺めだ。

 

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奥の広場は「浄水池」というらしい

野球できそうだな。

 

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緩速ろ過池エリアを抜けた先の浄水処理場の中にも入れた

航空写真で見るとわかるが、急速ろ過池に挟まれたT字型の建物だ。

 

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入るとタンクがドンッ

なんか薄暗い…

 

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通路も薄暗い

写真としては明らかに露出をミスってます。

室内は、学校のプールの消毒のような臭いがしてた。

 

 

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窓を覗くと目の前に急速ろ過池

右を向いても左を向いてもこのような景色。

建物が急速ろ過池に挟まれてます。

 

片側に12基ずつ池があるのだが、時間によって市民が使う水の量が違うため、こう12に区切ることによって調整しているのだとか。

 

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通路には展示物もいくつかあった

こちらは残留塩素計。

以前使っていたもので、現在は現役をリタイアして、ここに展示されている。

 

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こちらは次亜注入器

やはり現役を引退している。

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展示品以外のものもある

これらは触っちゃいけないのだろう。

 

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こういうのも明らかに触っちゃいけない気がする

むかしはこの建物に作業員が常駐していたそうだが、いまは自動化して、普段は人がいないそうだ。

 

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 立ち入りできないところもあった

ここでは最後の行程として消毒のために塩素を加えている。

水道法で、定期的に検便をした人、つまり職員しか中に入れないそうだ。

そうやって水の安全を守っている訳だ。

pH値もきっちり中性(数字にすると7.6)にして、世に送り出しているという。

酸性にすると配管が錆びるし、アルカリ性にしても配管に残ってしまうらしい。

(腐食の原因になるのだとか)

 

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階段を降りると薄暗くひんやりとした通路もあった

配管の部屋だ。

夜、一人で通るとちょっと怖くなるそうだ。

 

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浄水弁もある

 

管に水が通りっぱなしだから、特に夏場は湿気がすごいらしい。

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湿度が80%を超えていた

その日の気温が25℃近くありながら室温は17.9℃だったため涼しい。

夏場でもこれくらいの室温らしい。

 

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出口際にはポンプ室もあった

これによって同ツアーはゴールをむかえた。

 

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館を出ると緩速ろ過池が改めて目の前に

薄暗く消毒のにおいがしていたところを通っていたせいか、外に出ると清々しく感じられた。

写真の右側に見られるこんもりとした土の山が、再利用するためろ過池の底から人力で削り取っているという苦労話を聞かされても、この景色が爽やかに思えた。

さすが、国指定の名勝だ。

 

緩速ろ過方式は県内ではココだけだと教えてくれる今回案内してくれた方にも、急速と緩速とではどちらの水が美味しいかと訊ねた。

すると、「分かる人は、やっぱり緩速が美味しいという人がいる」との答えがあった。

この浄水場では「金沢の水」として、ここで作られたお水もペットボトルに詰めて販売しているのだが、その「金沢の水」で使われている水は、緩速ろ過方式で作られた水を使っているそうだ。

 

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フェスタなので「金沢の水」の試飲もできた

いつも飲み慣れている味がした。

蛇口を捻って出る水と比べると、やや喉越しが良かった。

 

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おみやげとして一本購入

 

施設内ツアー、かなり勉強になった。

社会科見学は大人になってからでも面白い。

もうこれだけで帰ってもいいかなと思えるくらい、満足した。

 

さて、今回はここまで。

次回は、その他の展示物や庭園内での草花の撮影、そして待った末に行った「上寺津発電所見学ツアー」についてものんびり綴ります。