初心の趣

カメラ初心者が石川県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています。

末浄水場にて雪吊りの実演を見に行った

11月にふたたび末浄水場

水道フェスタが行われていた6月にも一度訪れた末浄水場にふたたび足を運んだ。秋の特別公開が行われていて、普段は入れない庭も開放、さらに金沢の冬の風物詩である「雪吊り」の実演が行われるということで、見に行ってきた。

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5ヶ月ぶりの末浄水場

早いもので、水道フェスタからもう5ヶ月も経っている。前回はまだ自分がカメラを始めて1ヶ月くらいしか経っていない頃で、今以上にカメラ初心者だった。5ヶ月が経って自分の写真の腕がどれほど上がったのか、ここなら比較し確かめやすい。

ということで、さっそく浄水場内の庭と噴水を撮った。

以前にも説明したが、ここの庭(園地)は国指定名勝だ。

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渾身の「庭と噴水」だ

5ヶ月前と、あまり技量は変わっていないことがよくわかった…

 

本日の目当ては雪吊り実演コーナー

今回の一番の目的は雪吊り実演を見学することだ。

雪吊りというのは、冬に雪が積もって木の枝が折れないように縄を張ることだ。

金沢市では兼六園の冬景色で有名だ。木の幹の天辺あたりから放射状に縄を張り、閉じかけた番傘のような形を作っている。実物を見たことがなくても写真で見たことがあるという人も少なくないと思われる。

自分は金沢市民なので雪吊りそのものは見慣れたものだが、雪吊りを施している最中の様子を見たことがあるかと言われると、ほとんどない。もしかしたらテレビでしか見たことがないかもしれない。ということで、一度じっくりと見てみたかったのだ。

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雪吊り実演コーナーだ

浄水場内の前庭の一本の松の木で行われていた。金沢市の造園会社である株式会社進樹園さんの社長さんと職人さんによる実演だった。この末浄水場の樹木管理をしているのが「進樹園」さんだそうだ。

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準備に取り掛かるお二人

写真中央に見える松がこれから雪吊りを施されていく。

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まずは何本も縄を集めていた

24本の縄を垂らすとおっしゃっていた。

使う縄の数は木の大きさによって異なるそうだ。

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そのうちこうなる

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先端はこんな感じ

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絡まないように先に何本かで束ねてしまう

正確には4本で束ねていた。4×6で24本。ということで6つの束ができてくる。この木の場合、吊るさなければならない枝が6本あるということだ。

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立てる

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足元を固定

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二人がかりで束ねておいた縄を束ねたまま六方に広げていく

六方に広げてしまうと、あとは一人で束を解いていって枝を吊っていくのだ。

ここまでくると一人でできるため、あとは職人さんに任せて社長さんは我々お客のために「男結び」と呼ばれる、実際に雪吊り(りんご吊り)でも使われる縄の結び方を実演して教えてくれていた。

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説明しながらあっさりつくっていくプロ

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速すぎて写真ではその過程を追えなかった

この結びを怠るといい雪吊りは出来ないらしく、庭師の良し悪しを見るときは、この結び方がきちんとできているかどうかで見極めるのだそうだ。

しかも解くとき一箇所をハサミでぽんっと切るだけだった。この結び方だと解くのが簡単なのだ。仮に普通の固結びなどで結ぼうとすると、雪吊りをしている数ヶ月で湿ったり乾いたりを繰り返して縄がカチカチになってくるらしく、解くときに結局ハサミで根本から切るしかなくってくる。そうなると間違えて枝を切ってしまう可能性が出てくるので解きやすい結び方をしているのだそうだ。

 

ちなみに、加賀の方の職人さんたちはまた別の結び方をしているのだとか。

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加賀の方の職人さんたちの結び方を実演する金沢の職人(社長)

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こういう結び方らしい

普段しない結び方のため、上手くできないと社長さんはおっしゃる。

 ほかにも縒るだけで縄が強くなることも教えてくれていた。

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コリコリとして

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ほんと縒るだけ

こんな単純なことでも、外人さんに教えると「日本人ってすげぇ」となるそうだ。

 

そのあとはお客みんなで男結びの体験が始まった。

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プロが教え、真似しながらやってみるお客の皆さん

写真を撮っている自分の隣では女性の方がスマホで動画録画していた。

動画のほうがラクだなと思いながらも、自分は画像にこだわった。

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こうして

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こう輪っかを作って持ち替えて

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くるっとさせて

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するっと引っ張るとこうなる

これが上手くなってくると、雪吊りの頭の部分にも使われる結び方も覚えるそうだ。

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こう、さらに返しをいれて

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輪っかを押さえながら

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こう!

とまあ、画像とテキストだけではその一連の動作もコツもなかなか伝わらない。

やっぱり動画の方が良かったかもしれない…

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参考写真

こちらが雪吊りの頭の部分だ。確かに輪っかが残る結び方をされている。

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枝の様子

男結びで結ばれているのがわかる。

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最後はみんな一斉にトライしていた

あっさりできる人はほとんどおらず、皆さん何度も社長さんに聞いていた。一度聞いたくらいじゃ流れが頭に入らないもので、慣れるまではどうしても何度も聞いてしまう。

 

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 学んでいる間に雪吊りも出来上がっていく

職人さんがかっこいい。

 雪吊りの角度が広がりすぎたりしないのが技術だそうだ。

また、縄の張り具合の塩梅のコツを社長さんに訊ねたところ、縄は冬を越す間に濡れたり雪の重みだとかで少しずつ伸びていくそうで、最初は張り気味に吊るすそうだ。吊られている枝を指一本で1cmくらい押せるくらいが良いらしい。ちなみに兼六園の雪吊りは木が大きいため縄が30cmくらい伸びてくるともおっしゃっていた。

さらに放射線状に伸びている縄はよく見ると横一列には並んでおらず、前の方、後ろの方でメリハリがついて吊るされていることも教えてもらった。雪の重みに耐えるためのようだが、見た目にも良いらしい。

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確かに縄が前後でずれて結ばれている

吊るし方、張りの具合にもいろいろ工夫があるわけだ。

 

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完成された雪吊り

結び方を学んでいる間に完成していた。

職人さん、仕事が早い。

終わってもまだ縄の結び方を教わっていたご夫婦もいた。

男結びなどは確かに実用的なので、ここぞとばかりしっかりと学んでおきたいのだ。

雪吊りの実演よりも、結び方の実演のほうがメインだったようにも見えた。

 

さて、この雪吊りだが、あくまで実演用に縄を張ったため、あとで職人さんが縄を切って再びもとの裸状態に戻していた。

実演のためとは言え、吊るしたり切ったりで大変そうだが、職人さんは黙々と、またテキパキとこなしていた。改めて、職人はかっこいい。どんな業種であれ、自分は職人というものに敬意と憧れを抱いてしまう。

個人的には良いものを見れたと満足であった。

 

次回は、すでに雪吊りされた園内の木々の写真も綴ろうと思います。