初心の趣

カメラ初心者が石川県を中心に撮った写真をのんびりと綴っています。

たまたま立ち寄った神社に逆さ狛犬がいた

前回、那谷寺に狛犬がいることを報告したが、実はそのとき実物の狛犬の他に「描かれた狛犬」の写真も撮っていた。

f:id:seisyunsanka:20161201235610j:plain

正確には彫られた唐獅子

これは那谷寺境内にある「三重の塔」の壁面の彫刻だ。

四方の壁に二十の唐獅子が彫られ、それぞれ行態が異なる。

その中の幾つかに、こういう「逆さ獅子(逆さ狛犬」が見られた。

この逆さの獅子(狛犬)だが、別に彫刻だけで見せる姿ではない。

この那谷寺にはいないものの、世の中の神社には像としての「逆さ狛犬」が存在するのだ。

それを、先日偶然見つけた。

 

野々市市の堀内辺りを散策する

先日、車検があったため、野々市にあるトヨタに行ってきた。

1時間半ほどで済むという話であったので、その間に付近を散策することにした。

以前もトヨタさんに車を持っていた際に近くを散歩している。

自分はお店の中でただ待っているのが苦手なのでどうしても動いてしまう。

 

国道8号へと向かう道路を横断して北へと歩いた。

特にあてはなく、前回は南に向かったので今回は逆に行きたいと考えたのだ。

f:id:seisyunsanka:20161202233842j:plain

歩いていると小さな公園を見つけた

三日市万葉台南公園と書かれていた。

用水と道路が交差する角にある、ブランコとすべり台とベンチがあるだけの小さな公園だった。

f:id:seisyunsanka:20161202234330j:plain

用水だ

街灯が丸く光っていることからわかるように、このときはもう日が暮れかかっている。

時間にすると16時半くらいだったと思う。

暗いとどうしても撮れるものが限られてくるため、公園からさらに歩き、歩きながら明るいものや色の鮮やかなものを探していた。

f:id:seisyunsanka:20161202234808j:plain

そのうち赤い実を見つける

自分は植物に疎いのでこれが何の実なのか名前がわからない。

自分の身長より高いところに生っているこれらを見上げながら、その下の塀をなぞるように歩いていくと、そのうち神社の鳥居の前に出た。

f:id:seisyunsanka:20161202235713j:plain

神社だ

鳥居の額束(がくづか)には「稲荷神社」と書かれてあった。

正確には「村社 稲荷神社」である。境内にあった縦に長い石柱にそう記してある。

まさかこんなところで神社を見つけると思わなかったが、神社があるということは狛犬もいるだろうから、狛犬写真家を自称しようかと目論んでいる自分としては写真を撮りたく、一礼ののちに鳥居をくぐってしまった。

写真でもわかるように境内は決して広くない。

境内へと足を踏み入れてみると、すぐ狛犬はいた。

f:id:seisyunsanka:20161203225517j:plain

薄闇の中、阿形の獅子がいた

夕方を逢魔が時(おうまがとき)と言ったりもするが、薄暗い中でこれを見ると魑魅魍魎の一片を目の当たりにしたような気になる。

狛犬(獅子)は昼間に見る分には愛嬌の塊だが、日が暮れてから見ると聖獣や化物の類だと再認識させられる。本来は畏怖すべき対象なのだ。

 

f:id:seisyunsanka:20161203230859j:plain

それでも撮ってしまいます不敬な自分

 かなり露出を調整して明るめに撮っている。

暗すぎてオートフォーカスが働かなかったためピントはマニュアルで調整している。手動の割にピンぼけもない方だと思う。

f:id:seisyunsanka:20161204000439j:plain

ややピンぼけした一枚

この写真が特にわかりやすいと思うが、この獅子、口に玉を咥えている。那谷寺にいた一体と同じだ。

改めて記すその口の中の玉の意味は「人を惑わしたり、傷つける妄言を吐いてはいけない」だ。

かかる戒めの意味から、自分はこの玉を咥えた狛犬(獅子)のことを最近かなり気に入っている。

f:id:seisyunsanka:20161203232125j:plain

阿形の獅子を左側面から撮る

台の上に前足を乗せて咆哮している姿だと思うが、ヌルンっと首を伸ばし、大口を開けて獲物に食らいつかんばかりの姿にも見える。

また、鬣(たてがみ)のカールっぷりが鳴門海峡の渦潮のように力強い。

何気にロン毛で、その横になびく様も躍動感がある。

総じて、お座りをしているタイプの狛犬(獅子)とはどこか雰囲気が違う。次に何かをしでかそうな気配がある。わかりやすくいえば「構え」ている。

前回、出雲狛犬の種類の説明の中でお座りしているものを「出雲丹後(単に「丹後」ともいう)」と記し、逆に今にも飛びかかろうとしているタイプこそが本来の「出雲狛犬(単に「出雲」ともいう)」と記した。

この稲荷神社の獅子はその本来の「出雲」と動きの特徴が似ている。

ちなみに「出雲」の中には、逆さ狛犬のような尻を上げた格好をしたものもある。

それ思い出しながら吽形の狛犬へと振りかえると…

f:id:seisyunsanka:20161204000226j:plain

いた…

まさかの「逆さ狛犬」だ。

f:id:seisyunsanka:20161204142108j:plain

 横から見た図

かなりカラダを反っている。

名古屋城金のシャチホコにも負けないエビ反りっぷりだ。

今にも飛びかかろうと構えているならお尻を突き上げながらも後ろ足は地面につけていようものだが、こちらは両足の裏まで天に向いている。

飛びかかるというより、逆立ちのような曲芸を見せてドヤ顔しているかのようだ。

f:id:seisyunsanka:20161204142640j:plain

その足の様子

お座りタイプの狛犬だと後ろ足はだいたい腹の辺りに収まってあまり細かい造形を確認することがない。それに比べると、こちらは作りがしっかりと「足」だ。

こうしてみると、水かきのあるアヒルのそれのようにも思えてくる。

足の甲の部分が硬そうで、サッカーボールキック(これがどんなキックか想像できる人はプロレス好き)されたら痛そうだ。

f:id:seisyunsanka:20161204153855j:plain

ある意味この狛犬のベストショット

この角度から見るとますますシャチホコだ。

 

さらに、これら狛犬たちの台座にはそれぞれの格好に似た狛犬の姿が彫られていたりもした。

どういうことかというと、

f:id:seisyunsanka:20161204144407j:plain

こういうことだ

前足を上げて跳躍しているような姿だ。

f:id:seisyunsanka:20161204145647j:plain

こちらは後ろ足を上げている姿

こちらは…確かに後ろ足を上げているけど、お腹を上に向けてじゃれ合っているか、落下途中のように見える…

何にせよ、こういう台座も珍しい。

しかも、今更ながらよくよく考えると、通常は左が吽形なのに、ここの狛犬は右側にいた。全国にはこう阿吽が左右逆にいる狛犬もある。その点もまた自分には珍しかった。

 

那谷寺で逆さ狛犬の彫刻を目にして数日後に実際の逆さ狛犬を偶然目にするとは、自分としては何か運命めいたものを感じてしまう。

やはり狛犬写真家を自称しろということなのだろうか…

 

おまけ

f:id:seisyunsanka:20161204154250j:plain

f:id:seisyunsanka:20161204154533j:plain

神社の近くの民家で撮った何かの実

これが何の実なのか植物に詳しくない自分にはやはりわからなかった。

植物写真家には…

なれないな…