初心の趣

カメラ初心者が石川県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています。

お守りを求めて和歌山県の熊野本宮大社へ初詣に行った

行きたかった熊野本宮大社

昨年秋頃に和歌山県熊野本宮大社が『ジョジョの奇妙な冒険』で有名な漫画家の荒木飛呂彦氏がデザインしたお守りの頒布を開始したというニュースがあった。

学生時代に『ジョジョ』で卒論を書いてしまって今でもシリーズを単行本で購読している自分としても即座に反応、どうにか手に入れたいものだと思ったものである。

頒布開始当初は実際に熊野本宮大社に出向かないと手に入らないと記されており、自分としてもいつか足を運びたいと考えていた。ただ、和歌山県にあるという距離的な問題と暇がないという時間的な問題で実行に移せなかった。

実際、お守り一つのために400km先の和歌山に向かうというのもなかなか勇気がいる。それでもそのくすぶる気持ちが年末までずっと続いていたので、初詣も兼ねて、また狛犬の写真も撮れるだろうと考えて、31日に向かうことにしたのだった。

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ということで到着した(かなり時間がかかった)

熊野本宮大社だ。

ついたのは1日朝の4時頃だった。神社が開いていなかったらどうしようかと思っていたが、さすがに元日だけあってその時間でも参拝可能であった。

先に参拝を済ますために鳥居をくぐると、写真でもうっすら見えるように高い石段を登ることになる。これを登る切ると、

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「励」の漢字が掲げられていた

「励まし」や「励み」の心だ。

説明にも書かれてあったが、この漢字には「万の力」もある。

写真を撮りながら確かにそうだと唸った。

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焚き火もあった

大きさにして約2m四方だろうか、なかなか火力があって参拝客や神社関係者たちが周りで暖を取っていた。

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神殿前では甘酒も配られていた

他にも授与所にも巫女さんが何人も詰めていて、朝の4時とは思えないくらいの明るさが境内にあった。

参拝をその神殿にて済ました自分であるが、ここの神殿には4つの拝殿が並んでいて、正確にはそれらの4つを正しい順番で参拝しなければならなかったらしい。

後からそれを知った訳で、この時の自分は空いていた一番右でお賽銭を投げ、二礼二拍手一礼をしてそれで終えていた。

ちなみにその一番右を「東御前」というらしく立て札には「天照大神」とも書かれていた。本来なら他の3つを先に参って最後4番めにこの東御前を参るのが正解だったらしい。

まったくわかっていなかった。

 

さて、参拝も済ますと鳥居へと戻ってそこで見かけた狛犬を撮ることにした。

ところが、これまで一度も日も明けていない暗い中で狛犬を撮ったことがなかった自分はここでもまったくわかっていなかった。暗い中で狛犬を撮ろうとすると、まあピントが合わないのだ。暗すぎてオートフォーカスがまともに作動してくれない訳だ。

頑張って手動であわせてみたものの、

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このとおりだった…

 ピントがあっておらずボケまくった…

どうやっても上手く撮ることができなかったため、残念ながら結局狛犬の写真を撮るのを諦めるしかなかった。

写真が見づらいので言葉だけで説明をすると、これら狛犬は最初の鳥居の前にあり、像としても大きめのものであった。

胴体が、以前紹介した金沢の尾山神社の狛犬のようにややスタイリッシュ系で引き締まっていた。ただ、顔が厳つくてやや大きくもあったため、全体的にモデル系というテイストではなかった。例えるなら、戦うために無駄な贅肉を削ぎ落とした百獣の王、といったところだろうか。

こう説明していると、改めて写真がうまく撮れなかったことが悔やまれる。

 

また、この熊野本宮大社八咫烏(やたがらす)でも有名だ。

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由来が書かれた案内も境内にある

八咫烏は神の使者と言われる三本足のカラスだ。

余談だが、日本サッカー協会JFA)のシンボルマークであるあの鳥のようなものも実は八咫烏だ。よく見ると三本足であるのだ。

この八咫烏の像も境内にあったのだが、これもやはり暗すぎて撮ることができなかった。

 

こう写真を撮るという目的が叶わないとなると、初詣のためだけにずいぶんと時間と労力とお金をかけたことになる。

このときの自分としてはまるで大山鳴動して鼠一匹といった心情であった。

 

未明だからこそ撮れたもの

それでも日が明ける前だからこそ撮れる写真もあった。

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例えば手水

夜の手水を撮ったのはこれが初めてである。照明のお陰で昼間とは違った趣だ。

また、駐車場の施設でも暗さと照明のお陰でそれっぽい画が撮れた。

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それっぽいベンチの写真

「それっぽい」の定義は説明しづらいが、感覚的にそれっぽいと思われる。

さらにここからすぐ側の河原側にある駐車場でも大きな照明が点灯していて、おまけにちょうど靄(もや)もかかっていたので、そこでもまたちょっとした風景写真が撮れた。

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このように白い靄の中に照明の灯りが浮かび上がっていた 

もしかしたら霧(きり)だったのかも知れない。何にせよ、辺りが薄っすらと白かった。

写真の石段を登ってウロウロしていた自分を、この警備員の人が少々心配そうに眺めていた。そして自分がカメラで撮影をしだすと、何か納得したような顔をしていた。

その時撮れた写真が、

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こちら

写真で撮る前から、裸眼で眺めた段階で景色がファンタジー風味であった。

自分としてもリアルでこんな光景を見たことがなかったので思わずシャッターを切っていた。

本当にシャッターを切っただけで特別のことを何もしていない。

 

ほかにも、この近くに熊野本宮大社末社にあたる「産田社(うぶたしゃ)」があったのでそこも撮ってみた。やはり照明の灯りが届いていて辺りに靄も発生していたため、

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一味違った鳥居の画になった

これまで何度か神社の鳥居の写真を撮ってきたが、このように幽明の堺のような画になったことは一度もない。

ちなみにこの末社の御祭神は「伊邪那美命イザナミノミコト)」だ。この霧っぽい雰囲気とあわせていやでもアトラスのゲーム「ペルソナ4」を連想してしまった(分かる人にはわかる)。

 

そしてもう一つ、この熊野本宮大社には「日本一大きな鳥居」というものもあった。熊野本宮大社の旧社地である「大斎原(おおゆのはら)」にあるのだが、そこもライトアップされていた。

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靄のなか紫に照らされる巨大鳥居

なんでも、高さは33.9mあるらしい。

自分はこの大鳥居の存在を知らずにこの神社に出向いているので、遠くから見た時、何がライトアップされているのかよくわからなかったが、田んぼの間を抜けて近づいてみて、そのビルのような高さのそれが巨大な鳥居であるとわかるとその大きさに自分は俄に圧倒された。

常識を遥かに超えた大きさをして、妖しい灯りで照らされているのだ。まるで孔雀王に出てくる地獄門かと思った。産田社でも幽明の境という表現をしているが、これこそこの世とあの世の境に思えたのだ。

それでいてしばらく見上げていると、次第とその紫のライトアップから引田天功さんのイリュージョンを連想してしまうのだから、自分は基本的に罰当たりな人間なのだろう。

 

この大鳥居の紫のライトアップだが、朝の5時くらいに消灯となった。

それも、見上げている最中に突然消えて辺りが急に真っ暗になったから、少々ビックリした。

ただ、そのおかげで鳥居をくぐった先の大斎原の境内の灯りが際立って、それはそれで別世界を眺めているような趣があった。

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白靄けむる木々の中、点々と灯る明り

写真としては立て看板が写ってしまっているので甘い。ちょうどここでカメラの電池が切れてしまって、残念ながらこれ以上奥へと踏み込んで写真を撮ることができなかったのだった。(どうやら中での撮影には許可もいるらしい。ちなみに中には狛犬もいた)

 

何にせよ、このロケーションに出会えただけで、和歌山県にまで来た甲斐があったと心底思えた。

また同時に、「写真はロケーションである」と、まだまだカメラ初心者の自分は思ったのであった。

冬の未明の熊野本宮大社、オススメです。 

 

おまけ

 狛犬の写真は撮れなかったが、御朱印はゲットできたのでここに報告させていただく。

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熊野本宮大社の御朱印

 また、先にも記したように「おみくじ」も引いている。

しかも、八咫烏の形をした特別なものを引いた。

今年は酉年(とりどし)でもあるので、惹かれるものがあったのだ。

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なかなかかわいい

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足もちゃんと三本

この八咫烏のお腹に紙のおみくじが入れてあったので取り出して読んでみると、大吉だとか中吉だとかは書かれておらず、引いた自分の今年の道を照らす漢字一文字が書かれていた。

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こちらが実物

自分は「」であった。

さらに力を与えてくれる神さまが「天照大神」であった。

参拝した時、その神社のルールを知らずに一つだけしか参拝しなかったが、その時の神さまも「天照大神」だった。

おまけに、和歌山県まできて欲しかった荒木飛呂彦先生デザインのお守りの名前が、

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「和の守り」だ(ちゃんと手に入れました)

この奇妙な繋がりに、なにか「縁」を感じてしまった…。