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初心の趣

カメラ初心者が石川県を中心に撮った写真をのんびりと綴っています。

メモ喪失、携帯番号もわからず、スマホもなし…迷子常習犯が待ち合わせの居酒屋を探しながら人情に触れた話

写真 夜景 金沢市 人情 迷子常習犯

※今回は写真よりも文章がメインです

週末、仕事が終わった後にちょっとした仲間内だけの飲み会が開かれることになり、それに参加することになった。メンバー(自分を含めて8人)の終業時間が違うため自分は飲み会開始までに時間があったので、それまで金沢駅近くで写真を撮っていた。
狙いは金沢駅前にある鼓門(つづみもん)の写真だ。

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その前に鼓門前の噴水を撮影

昼ではないのでもちろん暗い。

写真を明るくする=露出を適正にするために、これまではISO感度を上げていたが、それだとザラザラした写真になるため、今回は感度を上げずに撮るということをはじめから決めていた。

そうなるとシャッタースピードを可能な限り下げて撮ることになる。シャッタースピードを下げて撮るとなると、今度は手ブレがしやすくなる。
その手ブレをなくすために三脚が活用されるのだが、自分はこのとき持ってきていなかった。
ということで、シャッタースピードは下げつつ、三脚無しでどこまで手ブレに耐えてナイトショットを撮れるかという挑戦になっていた。
具体的な数値を示すと、シャッタースピードは「1秒」だった。何百分の1秒ではなく「1秒」だ。
カメラを抑えていなければならないため、噴水の縁に腰掛けて足がフラつくことを抑え、両手でしっかりとカメラを持って撮った。

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その一枚がこちら
シャッタースピードをここまで抑えて撮ったのはこれが初めてだ。
人の動きに残像がついているのがそれっぽい。
鼓門の写真に関してはセミプロみたいなことをしている身内の、きれいな写真を見たことがあるので、その写真と比べるとこの一枚は全然甘い。
それでも、三脚なしの挑戦という点ではかなり満足している。

 

他にも、尾山神社の前でも撮った

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かなりぼやけましたけどね

こちらは駅前以上に暗かったため、さらにシャッタースピードを下げる必要があった。
おかげでこのようにボケた写真しか撮れなかった。
人間が手ブレに耐えられるシャッタースピードは「1秒」が限界であろう。
逆に言うと、1秒くらいなら耐えられそうだ。

撮影していると、この写真に写っている女性二人に声をかけられ、写真を撮ってくれとコンデジカメラを手渡された。

自分も自撮り棒よりも人に声をかけて撮ってもらう方が好きなタイプなので、快く引き受けた。
ただし、コンデジカメラを使ったことがないのでうまく撮れる自信はなかった。

そして撮ってあげた。それも何枚も。途中で写ルンですも渡されて、撮ってあげていた。
それにしてもコンデジ、明るさがオートで調整されるらしく、自分のカメラで撮ったときより明るく見やすい写真が撮れていた。

コンデジの力を思い知った次第だ。
その二人との別れ際に「がんばってください」と変な挨拶をしてしまったが、こと写真に関しては自分こそが頑張らなければならない。

 

飲み会へ

飲み会の時間が迫ってきたので本日の集合場所である居酒屋へと向かうことにした。
ところが、困ったことになった。

こうやって写真を撮っていたせいか、その目的地の名前などを記したメモをなくしてしまっていたのだった。

自分はこのご時世にスマホを持ち歩いていない人間なので、約束の場所などはよくメモをとることにしているのだ。

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このときの自分の焦り具合を駅前噴水の高さで表すとこんなものだろうか

大体の場所は片町スクランブル交差点付近と覚えていたので、とりあえず向かってみた。

ただ、片町はお店が多くてどれが今回のお店なのかわからない。

店の名前の方はうろ覚えだったのである。
おまけに、メンバー一人の電話番号を教えてもらっていたのに、どうやら間違った番号を携帯電話(ガラケー)に登録していたらしく、繋がらないとくる。
前述の通り、自分はスマホも持っていないので、場所などのやり取りをしていたチャットアプリも使えない。

正しい店の名前も、それがどこにあるのかの地図も確認できないのだ。


ということで、迷子になった。
さて、困った。

 

うろ覚えから歩いて探す

自慢ではないが自分は迷子常習犯だ。

実を言うと、今回のメンバーの一部と以前に飲み会をしたときも、自分は迷子になって少し遅刻した。
そのときは店の名前をわかっていたものの、お店がどこにあるのか、正確な位置をわかっていなかった。

柿木畠のお店だったので柿木畠をウロウロして探した挙句、近くの交番に立ち寄って、
「警察の人にこんなことを聞くことじゃないかもしれませんが、『にっく』というお店がどこにあるか知りませんか?」
と聞いていた。

すると詰めていた警官の方々がむちゃくちゃいい人たちで、丁寧にその店の行き方を教えてくれたのだった。

 

自分は、このように迷ったら現地の人に聞けばいいやという、楽観的な考え方をしている。

おかげで多少迷子になったところで、諦めて帰るということはほとんどない。
今回も、うろ覚えの記憶を辿ってまずは歩いて探したのだった。
キーワードは、

  • 片町スクランブル付近
  • アパホテル近く
  • たしか店の名前に「金」という漢字が使われていたはず
  • 肉が食べれるお店

だった。


片町スクランブル交差点から鱗町交差点に向かう途中にアパホテルがある。

まずはそこを探した。

10分近くはウロウロとしたものの、それらしい店を見つけられなかった。

 

電話を利用

ここで自分は、仕事場で電話番号を知っている方がいたのを思い出し、今回のメンバーの誰かの電話番号を教えてもらえないかと、その方に電話をかけた。
結論を言うと、その方も登録されていなかったようで教えてもらうことは不可能だった。
その方、スマホの機種交換をした際に、メンバーの個別の電話番号を登録するのを忘れていたらしかったのだ。

 

諦めない自分は、今度は身内に電話とメールをし、さきほどのキーワードを伝えて片町スクランブル付近のお店を検索してもらった。

「片町 スクランブル 肉 店 金」

こう検索すれば何か引っかかるだろうと思ったわけだ。
その結果、それらしいお店の名前が出てきた。
そのお店は

炭火焼肉 丸金ホルモン

という名前だった。

 

お店を訊ねて人情に触れる

正直言って、なんだか違っているような気がしたけれど、もう約束の時間も過ぎていたので、そこだと信じて向かうことにした。

だいたいの場所も教えてもらえたのでそのお店はすぐに見つけられた。

中へと入り、「いっらしゃいませ」という店員さんに、予約している者の名前を告げてさっそく確認してもらった。

しかし、本日当店では予約そのものがないということを告げられた。

そのお店ではなかったのだった。

しかも、約束の時間もすでに過ぎていた。

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このときの自分の焦り具合の高さ

たしかに楽観的な自分だが、約束の時間がすぎるとさすがに焦る。
そして、ここだと思って入ってみて違っていると、落胆もある。
おまけに一度写真を撮りに駅に向かってそのまま歩いて片町へと向かった(バス停の数で言うと5つ分くらいの距離になる)訳なので、脚もだいぶ疲れていた。


「そうですか、ありがとうございます」


と言った自分の声や姿にも、もしかしたらその焦りや、または落胆がにじみ出ていたのかもしれない。


すると面白いもので、人間捨てたものじゃないという、人情に触れるようなことが起きる。
店を出ようとすると、その店員の方が見送りながら何があったのかと事情を聞いてくれるのだ。
店の名前がわからず、片町スクランブル交差点付近でお肉が食べれて、店の名前に「金」がついていたと思う、といったことを説明すると、親身にその条件に当てはまるお店を思い出してくれて教えてくれるのだった。

 

ほんと、親切な方だった。

 

自分は「男はつらいよ」というシリーズ映画が邦画で一番好きなのだが、今の世の中でも困っている人に人情を働かせることが普通にあるのである。

 

再び「ありがとうございます」と頭を下げて、教えてもらったお店に向かってみた。
そこにも難なくたどり着け、先ほどと同じように予約している人の名前を告げて確認してもらうことになった。
そして、そこでもまたそんな予約はないと言われたのだが、やはり店員が事情を聞いてくれた。
まあ、仕事であるのだから親切になるのはこの日本では普通なのかもしれない。

それでも、この時の自分には大変嬉しいことであった。

 

一軒一軒で訊ねれば良い

自分はそのことに味をしめたように、そこからまた片町スクランブル付近を歩き、それっぽい店を見つけては予約した人の名前を確認する作戦に打って出ることにした。

焦りはあったものの、一軒一軒で聞けばいいやという楽観的な思考を改めて発動した訳である。

もう開き直りと言ってもいいかもしれない。

諦めるつもりもなかったし、飲みの予約時間がすぎるまで店を探すのも楽しそうだという、ゲームのような感覚もあったのだ。

疲れていてもひとたび人情に触れると、再び高揚するものである。

 

そんな中、スクランブル交差点の近くに別のアパホテル関係の施設をみつけた。

その建物の側で「半兵衛」との暖簾を下げた、昭和レトロな雰囲気を売りにした居酒屋があった。
肉とも関係なさそうだし、店名に「金」もついていないのだが、その「半兵衛」という名前に惹かれるものというか、記憶を刺激されるものがあり、試しに入ってみることにした。
入ってすぐ右側の部屋に視線を移すと、そこに今回の飲みメンバーの一人の顔があった。


店員の方が、


「何名ですか?」

 

と訊ねてきたので、自分は、


「ここです」

 

と、その右の部屋を指しながら答えていた。

 

ここ、だったのだ。

 

肉とも名前に「金」とも全然関係ないのに、ココだったのだ。

うろ覚えとは恐ろしいものだ。

 

無事合流

結果的に約束の時間より1時間遅れてしまった。

先に始めていたメンバー7人にはたいへん申し訳ないことをしてしまった。
まあ、前回の警察に聞いたという迷子の例もあるので「またか」と笑われてキレられることはなかったですけどね。

 

その代わり、合流するなりとりあえず電話番号の交換を改めて求められた。
これでまた迷子になることもないだろうということだ。


いや、迷子にはまたなるだろうと自分本人は思う。
迷子になっても、これで大きく遅刻することはなくなったということが正解だ。
そして、たしかに遅れて申し訳ないとの気持ちはあるものの、それでも自分は今回の迷子を相当に楽しんでしまっていたというのが、本音だ。


また、メンバーの1人は、これを機に自分にスマホを持たせようと言っていた。
実は、スマホそのものはもう買って持っている。

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スマホ本体は買った

でもまだSIMを入れていない。(プランをどうしようか、ガラケーと両方持とうか迷っている)

おそらく、相当なマイペース人間と思われたことだろう。

 

まとめ

スマホは確かに便利だが、便利すぎてコンピューターとのやりとりしかしていないと思うときもある。

ときにスマホを封印して、迷子になったり、生身の人間の助力だけで目的地に向かうということも、社会適応能力や人脈というものを見直す上で良いかもしれない。
そんなことを思った今回の迷子であった。

おそらく合理的な社会のみを目指すなら、迷子になるというものはマイナスでしかないかもしれないが、見方を変えると人情に触れられるチャンスでもあると思えるのだ。

人情に触れられるというのは、楽しいものである。


なんにせよ片町スクランブル交差点のお店の方々はいい人たちばかりだった。
県庁が別の場所に移ってから活気に陰りが見えてきたと言われているが、片町、捨てたもんじゃない。
今度はお客として「丸金」というお店に改めて行ってみたいものだ。