初心の趣

カメラ初心者が石川県を中心に撮った写真をのんびりと綴っています。

兼六園傍の石浦神社には逆さなものと鳩胸な狛犬がいる

道路を挟んで正面には21世紀美術館、道路を挟んで右手には兼六園

広坂の大きな交差点の一角に金沢で最古とも言われるその神社はある。

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石浦神社だ

直ぐ側には金沢市役所もあるし、旧県庁ことしいのき迎賓館もあるし、兼六園があるということは金沢城も見えるし、金沢を代表する観光スポットにこの神社はあると言っても過言ではない。

人の往来も多ければ、目の前を車もよく通るこの神社にどんな狛犬がいるのか改めて見に行ってきた。

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手水舎の写真

いや、個人的には何度も参拝しているので、正確には改めて写真を撮りに行ってきた、だ。

 

先に言ってしまうと、この神社の境内にある広坂稲荷神社には「逆さ狛犬」がいる。

石浦神社と言うと逆さ狛犬を思い浮かべる金沢市民も少なくないだろう。

それくらい逆さ狛犬が有名な神社だ。

 

まずは稲荷神社の狛犬から

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広坂稲荷神社だ

まずはこちらから先に撮影した。(石浦神社への参拝は先に済ませてある)

稲荷神社らしく赤い鳥居がある。

写真には一つしか写っていないが、正確には同じような鳥居が残り二つ、計三つある。

GWに合わせてイベントが行われていたのか側に小屋のようなものが立てられていてきれいに並べて鳥居を撮りづらかったのでこのような一枚となった。

この拝殿に一番近い鳥居のすぐ前に狛犬がいるのだ。

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左に阿形の獅子

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右に吽形の逆さ狛犬がいる

一般的には左が吽形の狛犬で、右が阿形の獅子という配置であるから、こちらの狛犬はそれが逆だ。

まあ、あくまで一般的にいってそうだというだけで、正解はないのかもしれない。

それよりも逆さ狛犬であるほうが貴重だ。

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近くにはこんな立板も

逆さ狛犬の説明が書かれてあるくらいだ。ここに来て逆さ狛犬を知ったという人も少なくないだろう。

案内によれば「加賀逆立ち狛犬」というカテゴリーがあるようだ。

雲を蹴り上げるような姿と、筋まで緻密に彫られたその作りが特徴とある。

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たしかに

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細かく

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彫られている

足の筋、たてがみのクルクルといったディテールがすごい。

鼻の穴や、わずかに開いた口と、そこから見える牙までしっかり作られている。

口が微妙に空いているからそこに小銭を置いていく人もいるようだ。

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そのうち生クリームが乗っているようにも見えてきた

ケーキのデコレーションみたいだ。

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爪がまた生々しい

獣の爪というより、人間の爪が鬼のようにバケモノ化するとこんな感じだろうなと思わせる作りだ。

それでいて足そのものは犬系の足だ。

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逆さではない方もいろいろと細かい

口元が少しスゴいことになっているものの、クルクルもそうなら、お尻から後ろ足にかけての筋肉の盛り上がり方までリアルっぽい。

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こちらの爪も

犬の足なのに爪だけ鬼系だ。

尖りながらもカーブしている爪の先端の細かさに見入ってしまう。

ついでに言うと足の甲の赤カビのようなものも味が出ている。

 

以前にたまたま立ち寄った神社でみつけた逆さ狛犬地元神社の逆さ狛犬もディテールが際立っていたが、立板で案内するだけあってこちらも全然負けていない。

その立板を改めて確認すると、そこには名工の誉れ高い「福嶋伊之助」の作とも書かれてあった。

狛犬をよく見るとその名前が彫られてあることにも気付いた。

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「福嶋伊之助」の名が刻まれている

狛犬によればこのように彫った人の名前が彫られていることがあるようだ。

正直に白状しよう。

知らなかった。

狛犬写真家を自称しようかと目論んでいた自分であるが、まだまだ勉強不足だ。

 

ちなみに、この広坂稲荷神社にはほかに狛狐の像もあった。

小さなそれは拝殿の前にいた。

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狛狐だ

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ちゃんと対になっている

拝殿の、いわゆる向拝柱の前にちょこんといる。

逆さ狛犬に比べると存在感は薄いものの、ここが稲荷神社であると再確認させてくれる狐たちだ。

狛狐ってだいたい何か持っているけど、こちらは玉と巻物であった。

迫力で逆さ狛犬に負けていても、狛犬にはない愛嬌がある。

目の細さが特に愛らしい。

 

石浦神社の狛犬はまた一味違う

さて、これまでのものはあくまで稲荷神社の狛犬たちの紹介だ。

石浦神社の拝殿前にも石浦神社を守る狛犬がちゃんといる。

それらがまた、ある意味逆さ狛犬に負けない迫力というか、特徴があったので、こちらはこちらで見入ってしまった。

石浦神社は逆さ狛犬だけではないと思ってしまうのだ。

その狛犬たちというのが…

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こちらだ

写真では比較対象がないので少しわかりづらいが、台座を含めて高さ1.8メートル近くある。

だいたい狛犬は台座の高さから見上げる位置にあるものが多い。その場合は台座が高いからで狛犬の像そのものに大きさは感じないのが普通だ。

ところがこちらの狛犬は台座が低い。地面から近いところにお座りしているのに自分の身長近く高さがある。要は狛犬そのものが大きいのだ。

そして阿吽ともに…

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鳩胸だ

なにせ胸板が厚いのだ。

ボディビルダーかっていうくらい膨れている。

狛犬そのものが大きいうえに、その高さから目の前でまじまじと胸筋周りを目にできるから特にそう感じてしまう。

おかげで、先程の逆さ狛犬がリアルな犬から造形して細かいところも表現していたのに比べると、こちらはかなり大味だ。

いや、拝殿を守るなら、これくらい漫画チックに迫力がなければ務まらないのかもしれない。

だんだんハルクにも見えてきたし、緑色だったらと想像してしまった。

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でも顔は鼻デカで愛嬌たっぷり

いや、正確には顔も大味な印象だ。

でもその大味さがマンガの中の超人のようなデフォルメ感があってかわいく見えてしまう。

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阿形の顔のアップ

横顔をアップにして撮ると、牙やつり上がった眦(まなじり)のおかげでまだバケモノの迫力がでる。

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でもこうして撮ると…

やっぱり漫画チックな愛嬌が出てしまう。

胸の玉がドラえものんの鈴のようにも見えてきた。

全身水色で胸元から腹にかけて白色だったらと想像してしまった。

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爪もカワイイ

大きな図体をして胸だって鳩胸なのに、爪、特に前足のそれが、じゃれ合っている時のライオンのような丸みと柔らかさがある。

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ついでに尻尾も

大味だ。

胴回りにはアバラのようなものも見えるが、装甲を背負っているようでもある。

アニメ『鎧伝サムライトルーパー』の白炎を思い出してしまった。

 

まとめ

実は拝殿にはもう一対、狛犬の姿を目撃できた。拝殿の中にあるので撮影は控えたものの今回紹介した二対ともまた違った趣の狛犬だった。

その印象は、「鉄腕アトムなどがやっていた時代のブリキのおもちゃのような表情をしている狛犬」であったことをここに記したい。

なんだかマンガやアニメと言ったサブカルチャー目線で当神社の狛犬をまとめてしまったが、このように石浦神社は逆さ狛犬だけではないということが伝われば幸いだ。

また、この日は昼間にやってこれたので御朱印を頂くこともできたので、ついでにその写真も上げておきたい。

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石浦神社の御朱印

石浦神社にはいつも早朝か夕方過ぎに立ち寄ることが多かったので、ようやくGET出来た。

右に「長谷寺」とあるのは、もともと三輪神社と号していたものが、平安時代には神仏習合となり石浦山慈光院長谷寺と改めていたことが由来のようだ。明治の神仏分離令によっていまの石浦神社となったらしい。

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ついでに御朱印帳にはこんなカードも挟まれていた

石浦神社の公認キャラクター「きまちゃん」だ。

えらいゆるいキャラだ。

おかげで狛犬をマンガやアニメのように例えたのは、決して間違ってはいなかったのではと、思えてきた。

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境内にあった自販機

ここにも「きまちゃん」が。

いや、間違ってはいなかったのだ。