初心の趣

カメラ初心者が石川県を中心に撮った写真をのんびりと綴っています。

能登町の「ケロンの小さな村」へ米粉ピザを食べに行った

3月の終わり頃、珠洲市に寄った帰りにたまたま鳳珠郡能登町で見つけた「ケロンの小さな村」

まだ冬季休業が開ける前でオープン準備で工事しているときだと言うのに、ツリーハウスなど村内の写真を撮らせていただき、春になったらまた来ますと挨拶して帰ってきたその小さな村に、5月になって遊びに行ってきた。

営業中の村の様子を改めて写真に撮りたく、また土日にはそこで採れた米粉を使ったパンやピザが売られているというので食べに行きたかったからだ。

特に、ピザに関しては「ピザ作り体験」もできると言うのでそれを一番の目的にして向かった。

なお、今回は中学生の甥っ子も同行している。その日は退屈していると言うので、それならばということで連れて行くことになったのだ。

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ケロンの小さな村だ

今回は「営業中」ののぼりが見える。

営業時間は10時から17時だ。

自分が住んでいる金沢市とケロンの小さな村がある能登町とは100km以上離れていて、車で2時間くらいかかるので、10時に辿り着けるよう早起きして7時半くらいから出発していた。

多少寄り道をした末に10時5分くらいにやって来れた。

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こちらののぼりも冬季休業中のときにはなかった

ご覧のように、この日はなかなか風の強い日だった。天気も晴れで珠洲真夏日を記録するくらい気温も高かった。

自分たちが一番乗りだと思って村内へと入ってみると、すでに何組かのお客さん(小さなお子さんを連れたご夫婦など)がいた。

車を駐車場に停めた後にも、女子大生だと思われる若い女性たちが4人くらいでやって来ていた。

朝から村内が賑やかだったのだ。

 

ピザ作りを体験

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パン工房へ

一番の目的がピザ作りを体験して食べることであったので、まっさきにこの村内のパン工房へと足を運んだ。

村長(代表者)である上乗(じょうのり)さんもおられ、ピザ作りの体験を申し込む。

自分は前日に電話をかけて予約を入れてしまっていたが、ピザ作り体験に関しては10人以上というようなよほどの大人数でなければ事前の予約が不要だった。

このパン工房に来て、その場で申し込めばよいのだ。

ただし、予約が不要なのはピザ作りだけで、そのほかの「パン作り」「木工作・竹細工づくり」「花・ハーブ・山野草の苗づくり」といった体験は事前に予約が必要だ。

また、ピザは自分たちで作らなくても注文することができる。どちらにしても一枚900円だった。

 

申し込むと、奥の作業場で上乗さんの奥さんが準備を始め、準備が整い次第、名前を呼ばれて作業場の中でピザ作り体験が始まる。

本日は3つの味から選べた。

トマトとクレソンと、そのミックスの3種類だ。

これは季節によって変わるらしい。

自分と甥っ子は二人してミックスを頼んだ。

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まずは生地を広げる(伸ばす)ところからスタート

ピザのサイズは10インチ(22cm)だ。

指先に粉を付けながら皿いっぱいに広げていく。

このケロンのパンやピザは小麦粉ではなく米粉で作られる。

村内に田んぼがあり、そこで採れたお米で米粉を作るのだ。

米粉の生地は小麦粉の生地と比べるとフワッフワだった。

触っていて気持ちがいい。

甥っ子曰く、小麦粉ではこうまで柔らかくならないのではないだろうか、とのこと。

彼はまた、枕にしたい感触だと言っていた。

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手伝ってくれる奥さん

これがまた難しい。

なんでも気温が上がるとさらに柔らかくなってくっつきやすくなってしまうのだとか。

この時の気温は27℃くらいあった。

自分はあまり器用な方ではないので、かなり奥さんに助けられていた。

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ソースを塗って玉ねぎも

ミックスなのでツートンに塗っていく。

特に自分はこのソース塗りのところで奥さんに手伝ってもらっていた。

自慢ではないが、自分には絵心がない。色を塗るのも得意ではない。

明らかに甥っ子のほうが塗るのが上手かった。

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トッピングを頂く

ベーコンやソーセージ、トマトなど。白いのは先茹でされたじゃがいもだ。

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それらを乗せていく

この他にコーンやチーズを乗せていく。

バジルの粉もかけてもらえ、お好みでマヨネーズも掛けることができる。

甥っ子はそのバジルが好物らしく、かなり掛けてもらっていた。

奥さんが言うには、夏以降には村内の畑で採れたバジルを使ったバジルソースのピザも作れるそうだ。

今回のクレソンソースのクレソンも収穫したものだ。なんでも、春先になると勝手に川近くに生えてクレソンだらけになるらしい。

これらを楽しそうに話す奥さんも、旦那さんに負けず劣らず気さくな方だ。

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最終的にこんな感じで完成

手前味噌ながらそこそこキレイにトッピングできたと思う。

自分好みに乗せている時、かなり楽しかった。

 

このトッピングし終えたものを上乗さん(旦那さん)のいる窯の方へと持っていき、焼いてもらうことになる。

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こちらがピザ用の窯

窯の温度は400℃近くになるそうだ。

その温度で8分ほど焼く。

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焼かれていくピザ

赤い炎がカッコイイ。

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斜め向かいにはパン焼き用の窯も

こちらの窯では320から330℃くらいになる。

その温度で6分くらいで焼き上げると言っていた。

家庭で作ろうとすると数十分かかるパン焼きも、こちらの窯の温度の高さなら瞬間的に焼き上げられるのだ。

 

色々と話してくれる上乗さん

焼いている間、自分としても上乗さんから話を聞けたらいいなと考えていたら、上乗さんご自身からいろんな話をしてくれた。

上乗さん、本当に気さくな方です。

その話によると、驚くことにこのケロンの小さな村は基本的に全部自分たちの手作りだという。

このパン工房の建物も自分たちで作られたのだ。

しかも、倉庫を解体した時の廃材をもらってきて作ってあるそうな。

なんでも、上乗さんご本人はずっと教員をされていた方で、教え子に製材屋さんや土建屋さんといった職人さんがいるので、わからないことがあれば直ぐに電話をかけて聞けたのだとか。

もちろん、上記の窯も自分たちの手で作っている。

 いうなれば、このケロンの小さな村は人脈の力、人と人との繋がりの力で出来上がったようなものだ。

それって、本当にスゴいことだ。

 

また、上乗さんはこの土地の工事中にきれいな水が湧いて出てきた話もしてくれた。

その水を保健所に持っていったら食品製造の水基準を全部クリアしたそうだ。

それがきっかけで野外レストランでも始めてみようかとなって、パンやピザを作る今のようなケロンの小さな村に至ったそうだ。

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その水は「福転の水」と呼ばれている

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蛇口をひねれば出て来る

ケロンの小さな村は、人脈の力だけではなく自然の恵みもプラスされて出来上がった村だったようだ。

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薪も自然の恵み

ツリーハウスをつくる際に山に道を作るため木を切っていったそうだ。

その木を乾かせば薪になるのだ。

木を切ることで山もキレイになっていき、その木も薪として利用できる一石二鳥の理屈だ。

その木も当然上乗さんが切っている。

自分はこれらの話を聞きながら何度「すごい」と言ったかわからない。

上乗さんが言うには、これは商売だと思っていたらできなかっただろうとのことだ。

 

上乗さんはこのように何でも、しかも楽しそうに話してくれる気さくでオープンな方だ。

村内の写真を撮らせてくださいと頼んだときも、頼まなくてもいつでもOKといった懐の深い返事をしてくれる。

ご本人の写真もOKということなので、一枚撮らせていただいた。

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こちらが上乗さんだ

パン専用の大型石窯、通称「ヘラクレス」の前での一枚。

むっちゃいい笑顔だ。

失礼ながら年齢を訊ねたら70歳を超えられていた。

70代でこの活力…

自分はここでもまた驚いた。

日本は今後70歳を過ぎないと年金がもらえないなんてことにもなりかねないので、この上乗さん夫婦の活力を見本にしたいと思う。

 

ピザが焼きあがる

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焼きあがった

話しながら待っていたら8分はあっという間だった。

子連れの夫婦の方々は子供を村内の遊具で遊ばせながら待っていたが、それでも8分間はあっという間に過ぎるだろう。

こちらを上乗さんが食べやすいように切り身を入れ、皿に移し替えてくれる。

村内で食べることもできれば、お持ち帰りもできる。

自分たちは村内で食べることにした。

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お水はサーバーの中の「福転の水」を自由に飲める

市販のドリンクなども売られているので、そのあたりはお好みだ。

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ほかにもお手拭きや割り箸も使用可能

手で食べるならお手拭きは必須ですな。

 

食べる場所は、村内どこでも自由だ。

ツリーハウスの中でも良いと言うので、自分たちはそちらで食べることにした。

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こちらのツリーハウスへ

二人で座るにはちょうど良いサイズのツリーハウスだ。

この家もまた手作りだ。

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座って食べる

食べてみると、むっちゃ旨い。

米粉の生地は小麦粉のものと比べるとモチモチしている。

トマトやクレソンのソースも風味が豊かだった。

自分でトッピングした感慨もあってバクバクと勢い良く食べてしまった。

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窓からは気持ちのよい風が入ってくる

天気に恵まれていたこともあるものの、ツリーハウスで焼きたてのピザを食べるって至福でした。

食べながら小さな村の景色を眺めていると、自然のありがた味を感じ、なんでもリサイクルする生活が楽しそうに思えてくる。

なによりのんびりできる。

自分は素直にまた来たいと思った。

中学生の甥っ子は、ここに住みたいと言っていた。

彼らの世代は「マインクラフト」(略して「マイクラ」)という材料を集めて建造物や町や世界を作っていくゲームを友達とやっているので、こうやって自分たちの手で何でも作るということに共感があるようだ。

甥っ子の目からすると、この何でも自分たちで作ってできたケロンの小さな村はリアルなマイクラということになる。そのリアルマイクラに憧れるようなのだ。

 

手作りの村の風景を撮影

食べ終えてまったりした後、ゴミを片付けて小さな村の様子を撮影した。

準備期間中の3月のときとは村の様相がやっぱり違う。

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あちこちで花が咲き、遊具が置かれている

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田植えが済んだ水田にはシオカラトンボの姿も

水田の中にはゲンゴロウの姿も見られた。

ゲンゴロウを田んぼで見たの、子供の時以来かもしれない。

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バジルも植えられていた

夏以降にはバジルのピザもあると奥さんが言っていたが、これだ。

まだ小さいこれが大きくなった頃にバジルソースが作られるのだ。

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季節の花が咲いている

カメラをする人なら花の写真を撮りにくるだけでも楽しめる。

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村内には「福転の水」の湧水源もある

このあたりを工事中に湧いてきたようだ。

ポンプがレトロでまたオシャレ。

小さな子どもたちが水遊びするようにポンプを開閉させていた。

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鯉のぼりもいた

5月です。

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顔はめパネルもある

クオリティが高い。

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すこやかケロン仏に合掌

自分は、このケロン仏がかなり好き。

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ツリーハウス「森の学校 とがのきハウス」の様子

3月に来たときにはしまっていた大窓がオープンに。

女子大生と思われる女性たちがここでピザを食べていた。

ならびにアスレチックな遊具で子供のように遊んでいた。

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ほかにも村内にはこういった遊具も置かれている

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この手作り感が…

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面白カワイイ

 

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こういった大型遊具も…

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手作りだ

よく見ると脚立でできている。

脚立には補強のバーも付けられ、これで十分支えられる。

これを見た時、「これでできちゃうんだ」とちょっと感動した。

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風車だってCDを使用

回転しているのは、これ自転車のホイールだ。

 

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この水車小屋の水車も…

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よく見たら酌で出来ている

何でも再利用、どこまでも手作り。

撮りながら、自分は再び「すごい」を連呼していた。楽しくてしかたがなかった。

自分も普段から、ないなら自分で作れば良い、自分でできないなら誰かに手伝ってもらえば良いという考え方の人間であるので、これらには惹かれるものがあったのだ。

 

上乗さんはむかしドイツに行く機会があったようで、環境先進都市として有名なフライブルクの、自然を活かした、ゴミを出さない、何でもリサイクする自然に優しい生活を目にした時、いつかこういうのをご自身でもやってみたいと思ったそうだ。

思っただけでなく、実践しているところがまたすごい。

ドイツで上乗さんがそう思ったように、普段マイクラをプレイしている甥っ子もまた、このケロンの小さな村を見て、将来友だち数人とこれと同じようなことをやりたいと言っていた。

自分もまた同じようなことを考えた。

少なくともこのなんでも再利用する精神を真似していきたいと思った。

 

自然も、使わなくなったものも、そして人材も活用すればいいのだ。

実際にここに来て、体験して、改めてそう思った。

 

最後におみやげにパンを買う

最後に、他の甥っ子や姪っ子たちのために米粉で作られたパンを買った。

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パン工房では手作りパンも売られている

これもまた米粉を使ったパンだ。

菓子パンならどれも一つ150円だった。

姪っ子から美味しかったと返事があった。

ちなみに自分の分を買うのを忘れてしまったので、自分は食べていない…。

パンは、次に寄る時のお楽しみしたいと思う。

去り際に秋にまた来ますと挨拶してきたが、夏にもう一回行きたい。

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見送りをしてくれるカエルのオブジェ

また来ます。