初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

真のオムライスの日にオムライスの町を代表するお店でオムライスを食べる

以前、当ブログでも紹介したように石川県の宝達志水町は「オムライスの町」だ。

オムライスの開発者と言われる北橋茂男さんが宝達志水町出身であることからそう呼ばれるようになった。

その北橋茂男さんの誕生日が7月23日であることから、町では毎月23日を「オムライスの日」と定め、オムライスの町プロジェクト加盟店では毎月特別サービスを行っている。

7月23日、そのオムライスの日、いや誕生日当日であるのだから「真のオムライスの日」と言うべきだろうか、その日にオムライスを食べたくなったので宝達志水町に昼前から向かうことにした。

どうせなら以前に行ったお店以外のところに行きたかったので、「オムライスの町」とGoogleで検索すると右側に表示されるお店「bonbon cafe」(ボンボンカフェ)を選んだ。

真のオムライスの日にオムライスの町を代表するお店でオムライスを食べる…

SEO的にはペナルティを食らいそうな字面であるが、行動そのものは縁起が良さそうな気がしたのだ。

Googleにケンカを売っているわけではありません)

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さくらドーム21

bonbon cafeは宝達志水町生涯学習センター「さくらドーム21」の中にある。

会議室があったり、図書館があったり、ゲートボールができる多目的広場があったり、祭りの資料として古い獅子頭が展示されていたりする施設だ。

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こちらがさくらドーム21

大きな企業が入っているオフィス、または都会の大学みたいな見た目の学習センターだ。

中に入ってみても勉強しやすそうな落ち着いた作りをしていて、悪ふざけが出来ないような雰囲気があった。

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その一階にbonbon cafeがある

正面の扉から入って突き当りの左手にある。

落ち着いた施設内の中でここだけ華やかだ。

bonbon cafeの名前のとおり、天井からボンボンが吊るされているのが見える。

開店は11時から15時と書かれてあった。

ランチ向けのカフェだ。

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お店の前にはいろいろと冊子が置いてあった

宝達志水町に関する冊子だ。

ここに置かれている『ぶらり能登』という冊子は自分も持っていて、実はそこから宝達志水町がオムライスの町であることを知ったという経緯がある。

その『ぶらり能登』に紹介されていたお店も、このbonbon cafeであった。

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7月23日は(真の)オムライスの日

この日は年に一度の特別な日であるので、bonbon cafeでは「やわらぎトマトオムライス」一種類のみの提供とされていた。

「やわらぎトマトオムライス」はオムライスの町のHPにも紹介されていたbonbon cafeを代表するオムライスだ。

なんでも「やわらぎオムライス」そのものは北橋茂男さんのご長男でレストラン「北極星」(茂男さんが作ったレストラン)の現社長である北橋茂登志さんが町のオムライスプロジェクトに協力して考案したのだとか。

そのオムライスを置いているこのお店はプロジェクト加盟店の中でもなかなか特別だ。

なるほど、「オムライスの町」とGoogle検索してこのbonbon cafeが右側に表示される理由が分った。

 

やわらぎトマトオムライスを食べる

自分はこの日、開店11時丁度に足を運んだ。一番乗りかと思ったら、開店前から並んでいる家族連れの方がいた。翌日の新聞にその「開店前からお客さんが待っていた」ことが地元ニュースとして小さく取り上げられていたが、自分も1分間ほど待っていたので、「待っていたお客さん」の一人に数えられるのかもしれない。

記事を読んだ時、なんだか「取材に来ていたのに自分が取材される」に似たむず痒さを覚えたことを蛇足として付け加えておく。

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やわらぎトマトオムライスを頼んだ

こちらがそのオムライス。

ちゃんと「オムライスくん」の旗も立っている。

スープとカレー風味のサラダ付きで700円だ。

この日はこのオムライス一種類しか頼めなかったけれど、自分のお目当てもこれだったので何の問題もない。

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さっそく食べる

中はトマトケチャップライスだ。

トマトの酸味が利いているが、上にかかったトロトロのオムレツタマゴに甘みがあり、一緒に食べることで中和され、調和していた。

この「味の二重奏」みたいな構成は面白く、美味しかった。

「粉もんや もりまる」で食べた「そばめしオムライス」がユニークな一品なら、こちらは王道の一品といった所だろうか。

なお、そのソースには同町特産の「宝達葛」が使われているそうだ。葛(くず)の味まではさすがに自分の舌ではわからなかった。

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お会計の時にお食事券をもらえた

オムライスの日の特別サービスだ。

割引券かと思ったら、オムライス一食分に相当する食事券だったので、さすが真のオムライスの日だと思った。

こんなのもらったら、また行きたくなるではないか。

 

翌週、また行った

ということで、翌週にまたbonbon cafeに行ってきた。

その日は能登の方に向かう予定であったので、その前に立ち寄った。

このbonbon cafeはオムライスをメインとしたカフェで、「やわらぎトマトオムライス」の他にもハントンライスボルガライスなどを含め4種類くらいオムライスのメニューがある。「やわらぎ~」以外も食べてみたかったのだ。

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この日頼んだのはこちらのオムライス

「チーズホワイトオムライス」だ。こちらで700円だ。

同じく700円のハッシュドビーフオムライスと迷ったけれど、チーズ好きなのでこちらを選んでいた。

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オムライスくんの旗がこれにも立っていた

これは意外だった。

オムライスプロジェクトのHPに紹介されているオムライスにだけこの旗が立っているものだと思っていたので、いい意味で裏切られた。

この旗を見ると、「また一つ制覇した」という山登りのような達成感があり同プロジェクトを楽しんでいる気になれて自分としても嬉しくなるのだ。

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さっそく食べた

中は王道のトマトケチャップライスだ。

やはり酸味がある。「やわらぎ~」と比べるとホワイトチーズソースのほうが甘みで勝るので、より甘味を求める人はこちらの方が舌に合うのではないだろうか。

自分は辛いものが苦手でカレーも甘口ばかり食べる人間なのでこちらの方が好みだ。

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甘いもの好きなのでさらにソフトクリームも頼んだ

700円分の食事券があることをいいことにさらにデザートも頼んだ。

オリジナルジェラート(しかも数種類)もあってそちらとも迷ったけれど、地元の桜を使っているというこの「さくら塩のソフトクリーム」を頼んだ。

塩は珠洲の塩を使っていると言っていた。

以前、世界一長いベンチの側の道の駅で塩をかけるソフトクリームを食べた際に美味すぎてバクバクと食べてしまったが、その感動の再来であった。

塩とソフトクリームってなんでこんなに合うのだろうか。

塩を自分でふりかけるというサービスはないものの、十分に塩が利いているので掛ける必要なくソフトの甘みと塩のしょっぱさの絶妙な掛け算を堪能できた。

さらにこれに桜の風味も足し算だ。美味くないわけがない。

 

レジにて

ソフトクリームを食べている時、店内に置かれていた冊子を読んでいた。

お店の前に置かれていた冊子が店内にも置かれているのだ。

その一つに『ゆみこ新聞』というのがあった。

店長さん(同店プロジェクトマネージャー)である「ゆみこ」さんご自身で作られた冊子だ。ゆみこさん本人や地域おこし協力隊のことについて書かれてあった。

ゆみこさん自身は2015年に地域おこし協力隊として大阪からこの宝達志水町に移住してきた方なのだ。

『ゆみこ新聞』には任期3年など「地域おこし協力隊」についても書かれてある。自分はこのお店を知るまでそういう協力隊なるものがあるなんて知らなかった。

食べ終えてレジに行くと、その『ゆみこ新聞』の写真の方が会計をしてくれた。

ご本人だ。

この日、注文を受けてくれたのも料理を運んでくれたのもご本人だ。

もっといえば「オムライスの日」に会計をして、食事券を渡してくれたのも彼女だ。

オムライスの日のときはお客さんが多くて話しかけづらかったが、この日は会計をしてもらいながら少し話を聞いてみた。

ゆみこさんによると、彼女がやってくるまでこのお店は「bonbon cafe」という名前ではなかったそうだ。

もともと「やわらぎの郷」(冊子『ぶらり能登』では「旧オムライスの郷」と書かれてあった。どっちが正解なんだろ?まあ、いいか)という店名で、テーブルが三つポツンと置かれていただけだったと言う。

テーブルの一つを切って窓側にカウンター席として並べ、別に二人がけ用のテーブルを3つほど追加していまのレイアウトにしたのだとか。

天井から吊るされた花形のボンボンも手作りだそうだ。

ご本人曰く「『マネーの虎』のように」改造したようなのだ。

マネーの虎、懐かしい…。

お店ではカフェらしく数種類のドリンクの提供もある。オムライスの他に日替わりランチやお子様ランチ、オムライス弁当の販売も行っている。

こういたメニューも日々工夫しているのではないだろうか。

冊子も自分で作っちゃうし、精力的に動いている方だという印象を受けた。

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この案内と価格を見て、買いたくなった

なお、会計にて一週間前に貰ったお食事券を出すと、今回の食事券を使用した第1号だと言われた。

オムライスの日に一番乗りになれなかったからだろうか、なんか嬉しい。

 

まとめ

以上のように2週連続のbonbon cafeでのオムライスとなった。

まったく予定していなかったが、地域おこし協力隊のことも少し知れたりと、なかなか有意義な訪問であった。

こうやって都会から協力隊として来てくれる人もいるんだなと思うと、県民としてはもっとやれることをやっていかなきゃならないんだろうなと身が引き締まる。

おかげで、ますます県内のいろんなところを回って紹介したくなってきた。

繋がりを増やしていくと、やれることも増えていくような、そんな気がする。

 

また、オムライスプロジェクトのHPで紹介されているオムライス以外のオムライスでもオムライスくんの旗が立つことがわかったことも収穫だ。

先にも記したが、あの旗を目にすると山を一つ一つ制覇しているような気になってくる。

HPで紹介されているもの以外にも制覇できる山(オムライス)があるというのは、まだまだ長くオムライスプロジェクトを楽しめるということだ。

同店でもまだハッシュドビーフのオムライスもあることだし、山(オムライス)を求めてまた来店したい。

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最後に、個人的にこの小さなのぼり旗が気になった

これ、売られていないのだろうか?

5つくらい山(オムライス)を制覇したら記念に買いたい。