初心の趣

カメラ初心者が石川県を中心に撮った写真をのんびりと綴っています。

川北まつりで花火の撮影をしてみたが難しかった

石川県能美郡川北町には毎年8月の最初の土曜日に町民を挙げての火祭が行われている。

「川北まつり ~手取川の火まつり~」と呼ばれる祭だ。

地元紙である北國新聞の花火大会も同時に開催されるのでかなり規模の大きな祭となっている。

打ち上げられる花火は2万発。北陸でも最大級の花火大会であることから県内はもちろん県外からも人がやってくる。

この祭りを一度近くで見てみたく、また打ち上げ花火の撮影を体験してみたいと随分前から思っていたのでこのたび足を運んできた。

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猛暑日の昼下がりから現地へ

むかし川北町役場の前の道路が通勤路だった頃があり、祭りの日に残業したら大渋滞に巻き込まれて夜の12時くらいに帰ったという経験がある。

自分が川北まつりというものを初めて知ったのもそのときだ。

その経験から、あの道路は当日路上駐車でいっぱいになることがわかっていたので、この日は祭が始まるギリギリに向かわず、余裕を持って昼の3時過ぎくらいに出かけ、4時くらいには到着していた。

すでに路上駐車の車が並んでいたものの、おかげで役場の近くに停めることが出来たのでここまでは上手く目論見どおりとなった。

川北まつりは17時半から始まり、花火大会は20時10分から始まる。

それまでの間は待つことになるので車の中でクーラーを効かせて待っていればいいものの、日が沈む前の会場の様子を撮りたくて河川敷の方へと向かっていた。

ちなみにこの時の気温は35℃を超えていた。猛暑日だったのだ。

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役場裏の田畑の間を抜けて河川敷へ

遠くに塔のように見えるものは大かがり火だ。先日足を運んだ能登島向田の火祭りのように火柱が立つのだ。46メートルもあるから、向田のものよりさらに大きい。

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途中、こんなものも

こういう体験、好みだ。

このあたりは地元のラーメンチェーン店「8番らーめん」のファームもあって、ちょっとした田園地帯となっている。

河川敷の丘の上からだと景観も良い。

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丘から

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撮ってみた

小さくて見づらいが、この写真からも路駐の車が行列を作っているのがわかるかと思われる。

この丘をもう少し歩き、川の方を見下ろすといよいよ会場が見えてくる。

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大かがり火がいた

向田の火祭にいったときは時間の都合上、夜から現地に乗り込んでいたので、燃え上がる前の姿を写真に収められなかった。猛暑日の日暮れ前に外に出た一番の目的は、火がつく前のこの大かがり火を撮っておきたかったのだ。

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可能な限り近づいて撮影

よくみるとワイヤーで支えられている。

でかすぎてワイヤーがないと倒れてしまうのだろう。

もしかしたら、そのワイヤーによってある程度倒れる方向をコントロールできるのかもしれない。

 

19時前に再び会場へ

夕方になっても全然気温が下がらず、35℃を超えた暑い中を長時間ウロウロするのもさすがにきつかったので、いったん車に戻ってクーラーを利かせて休み、19時前に再び会場に向かった。

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このあたりは夕日もきれい

このようにまだ日没前であったものの、大かがり火が何時に着火されるのかよくわかっていなかったので、「そろそろかもしれない」との勘を働かせて動き出していた。

歩いていると次第と辺りも薄暗くなっていく。

そして到着したときには…

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送り火が始まっていた

ちょうど始まったところだった。

この川北まつりは「町民全員が参加できる祭りを作ろう」という志から誕生した祭りだそうで、送り火を行っているのも川北町の人たちだ。

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さらに火文字にも着火

送り火の人たちを撮っている最中に火がついた。

自分がこの河川敷に到着してそんなに時間は経っていない。

もう少し車から出てくるのが遅れていたり、途中のトイレで並んでいたりしていたらこうして撮るのも間に合わなかったわけで、自分の勘を褒めてやりたい。

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なんだか「ま」だけ激しく燃えていた…

これ大丈夫か?ってくらい「ま」だけ激しく燃えて黒煙を上げていた。

そしてこれに見とれていると、今度は大かがり火の周りの中くらいの篝火に点火されていく。

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人の手によって火が点けられていく中くらいの篝火

何か合図があるわけでもないので、こちらの方に振り向いたときには点けられていた。

意外なほど進行が早い。

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ステージでは太鼓の演奏も開始

あれよあれよと祭りが進んでいく。

こちらの太鼓、川北町の17地区のみなさんが地区ごとに演奏していた。

地区によっては横に並んだ子供たちが長い竹をバチで叩くという「竹太鼓」の演奏も行われていた。

そしてステージ上での演奏が全地区終わると、今度はステージの後ろにて17地区のみなさんが一斉に大かがり火に向かって「虫送り乱打」を始めた。

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横に並んで乱打

写真で言うと左前方に大かがり火がある。

和太鼓の音が地鳴りのように響いていた。

聞き入っていると、その左前方が不意に明るくなってくる。

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そちらへ振り返るとなんか大かがり火に火を点け始めていた

慌ててカメラを向けてシャッターを切っていた。

日が沈んだと思ったらサクサクと祭りが進むので油断ができなかった。

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みるみる火が点いて…

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あっという間に火柱です

先ほどの火文字の「ま」に負けないくらい煙もすんごく出ていた。

しかも、火柱になった瞬間、熱いのなんの。

その火の熱が付近の気温を上げて、隣りで同じようにカメラを構えていた女性の方たち(知らない方たち)と一緒に「暑ッ」と口にしてしまっていた。

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より火柱に近いところにいる町内の人たちはきっともっと暑かったはず

自分は一般客立入禁止のテープのギリギリのところにいたが、町内の人たちは演奏や送り火のためにそのテープの内側にいたのだ。

しかもちょうど自分の目の前にわんさかと集まっていた。

自分はそんな町内の人たちを見ながら、火柱がこっちの方に倒れてきたらヤバイよな、ということを考えていた。

遠くから見た限りだと、倒れた際に目の前まで届きそうに見えるのだ。

そしてそんなことを考えていると…

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急に…

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真ん中で

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折れた

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間髪入れず全部…

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倒れた

向田の時もそうであったが、倒れる時は突然だった。

しかも向田のときより点火してから倒れるまで早かった。

花火が始まる頃まで燃えているだろうと油断していただけに、よくシャッターを切るのが間に合ったなと今となっては思う。

それよりも、うまいこと誰もいない方へと倒れたものだ。

やはり倒れる方向をコントロールしているのだろうか?

なお、向田の火まつりはキリコも練り歩く神社の神事であるから、倒れた方向によって豊漁、豊作といった願掛けがあったが、こちらの川北まつりではそういった話はないようだ。

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倒れた火柱をバックに町内の皆さんは盆踊りを開始

火柱が倒れてもフィナーレではない。

花火大会まで町民参加型の祭りは続くのだ。

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見よう見まねで踊っていた外人さんもいた

楽しそうだ。

 

これらを撮っているともうすでに日が沈んで空は真っ暗だった。

19時頃からあれよあれよと火が点いて、あっという間に1時間くらいが過ぎていた。

1時間で送り火をやって虫送りの太鼓も打ち鳴らして、大かがり火に点火して倒壊して、さらに盆踊りを踊り流すって、かなり濃密な1時間だ。

また、このタイミングで観客席の方へと振り返ると、今更ながら人の多さに驚いた。

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いつの間にか人だらけ

だれか有名人の野外コンサート会場かと思った。

しかもこの写真、客席の一部だ。もっといたのだ。

このお客さんたちのお目当てはこの後から行われる花火大会だ。

アナウンスの方も「お待ちかねの花火大会がいよいよ始まります」と言っていたので間違いないだろう。

これまた今更ながら、花火大会って人が集まるのだなぁと感心してしまった。

そして同時に、メインが花火大会ということは、つまりあの火柱も前座になってしまうのだろうなと考えて、呆気にとられそうになった。

あの火柱が前座だ… マジか…

 

花火を撮る

打ち上げ花火を間近でじっくり撮影するのは初めてであったので、はっきりいってどう撮っていいのかわからなかった。

冒頭に「体験してみたい」と記したのはそういったことからで、自分としても練習のつもりで撮影に臨んでいた。

露出も上げればいいのか下げればいいのか、その際はシャッタースピードは上げたほうがいいのか下げたほうがいいのか、感度はどうか?

これらを試しながらの撮影であったので、上手くいったと思えるような理想的な写真を撮れなかったことをあらかじめ断っておきたい。

以下に羅列する写真は、言うなれば花火撮影に対する「練習と実験と迷走の軌跡」である。

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連発から始まった

花火大会が始まってすぐ連発だった。

露出を確保するためシャッタースピードを下げて撮ってみたら、ものの見事に花火の中央部分がぼやけて光の粒を分解しきれていなかった。

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比較用にシャッタースピードを上げて撮った

光の粒を捉えてくれているが、露出が低くなっている分、少し暗い。

理想は光の粒も見えてかつ明るく撮れることだけど、夜に動いているもの(しかもすぐに消滅するもの)相手にその両方を満たすというのはパラドックスに挑んでいるみたいだった。

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さらに煙も写り込んでしまう

打ち上げ場所から近い分、花火が炸裂した時の煙までよく見え、写真に写ってしまう。

その煙のおかげで花火というより銀河や星雲のように見えてくる。

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なんだか星雲

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アップで撮るとなんだかビッグバン

これはこれで撮っていて楽しかったけど、だんだんと花火撮影の本質からズレていっていた。

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ということで、ここでまともに花火だけを撮った一枚を

一発だけのときを狙うと煙もあまり出ていなくて狙いやすい。

ただ、一発だけというのは寂しい。

フォトショップのような編集ソフトを持っている人は合成すればいいのだろうけれど、自分はソフトも持っていなければ三脚すらまだ買っていない(三脚がないとまったく同じ場所からまったく同じ構図で何枚も撮れない)ので、いろいろ不可能なものがある。

現状、とりあえず写実派を邁進するしかない。

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しょうがないので構図を工夫した

ただ、構図ばかり気にしすぎたためにだんだんと花火そのもののが「なおざり」になっていった。

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花火のはずなのにもう花火に見えない

なんだろう、言ってしまうとただの光の塊だ。

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こちらはまだ「花火」を見上げているとかろうじてみえる

でもかろうじてなので、理想とは程遠い。

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これなんか千切りしたニンジンの天ぷらに見えてきた

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ハートマーク型の花火も星座に見えてきた

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なにかが天から降臨してきた図

どうやっても思い通りに行かないので、次第と、自分も理想を諦めてきているのがわかるだろうか。

ヤケではないが変な妄想、連想、空想をして茶を濁そうとしてしまった。

そんなことをしながら、花火大会もフィナーレへと向かていく。

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白山開山1300年記念の山型花火シャワー

白山は今年で開山1300年だ。

一瞬で消えない分、まだこちらは理想に近い形で撮れた。

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最後の2000連発の際に、一枚だけ少し理想に近いものが撮れた

煙が写って、花火の色も単色であるものの、同時に何輪も捉え、さらに光の粒も分解されているのでまだ良い。(明るさはまだ注文をつけたいところだが)

ただ、これくらいだろうか。連写を使っていても、マシだなと思うものはほとんど撮れていなかった。

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最後の一枚はこちら

再び天からシリーズ。

今回の花火撮影を象徴する一枚だ。

今回の結論を一枚で示すならこれになるのだろう。

花火の撮影はむずかしい。

 

感想

カメラがだめなのかレンズがダメなのか、三脚ないのがだめなのか、腕が駄目なのか、撮れば撮るほど花火の撮り方がわからなくなった今回の撮影であった。

火柱を撮る時に通用していたことが花火だと通用しない。

やはり合成しなければならないのだろうか?

そんなことも胸に去来する。

去来して、頭のなかで吟味するほど、しかし却ってワンショットで理想的な花火写真を撮れないかと、その追求をしてみたくもなった。

いや、編集ソフトを導入する予定も今のところないので、しばらくその追求をしてみようかと思う。

失敗ばかりであったが、次の目標が見えてきたことはまだ儲けである。

そんなもので、帰り際は意外と爽快であった。

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車に乗り込んだら突然雨が降ってきましたが…

案の定、帰りは大渋滞でもあったが、濡れずに済んだので「まあ、いいか」でのんびり帰った。

今回の写真の反省も「まあ、いいか、こんなものだろう」で済ませたい。