初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

溶けにくいソフトクリームは1時間後に食べても美味い

金沢市には「溶けにくいソフトクリーム」というものがある、というのをご存知だろうか?

株式会社「日本海藻食品研究所」というところが開発したソフトクリームで、実際に販売されている。

どれだけ溶けずにいるのか、時間が経つにつれ状態や味が変わるのか気になったので、自分も先日一つ買ってみた。

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日本海藻食品研究所

溶けにくいソフトクリームを食べに、それを開発した日本海藻食品研究所へ行ってきた。

金沢市本江町にあり、一階が「Healthy Lab」(へるしいらぼ)という喫茶店のような販売店になっている。

営業時間は9時から17時半までで、定休日は日曜祝日、土曜日も第2、第4が休みだそうだ。

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日本海藻食品研究所の建物

この会社は海藻から環境に優しい化粧品等の開発を行ったり、規格品外になったおからなどを使って地産地消のための食品開発などを行っている会社だ。

「おからから作られたウナギの蒲焼き」や「海藻麺」などユニークな商品を開発、販売されている。

そんな樂しい製品の一つに「溶けにくいソフトクリーム」がある。

こちらもおから(大豆100%)で作られたそうで、お店の方(研究員のような方だった)が言うには30、40分経ってもドロドロと溶け出さないようなのだ。 

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一つ購入してみた

カップタイプのものを購入した。こちらで300円だ。

カップタイプのものはソースをトッピングすることもできる。その場合は50円ほど高い。

カップ以外ではコーンタイプのものもあり、7、8月の夏限定版としてかき氷と掛けあわせたものも登場している。

車まで移動しなければならないという便宜上、自分はこちらのカップタイプを選んだ。これならカップホルダーに入れても倒れることがないからだ。

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ドーム(蓋)いっぱいに盛られた溶けにくいソフトクリーム

「持ち帰りで」と言うとこのように台座になるホルダーももらえた。お店の人に気を使わせてしまった。

購入当初はこのように蓋ギリギリまで高さがある。下の方にはコーンフレークが敷き詰められていた。

お店の方が言うには、仮に30、40分経っても高さが少し潰れるだけで液状になることはないとのこと。

本当に30分後になっても溶けないのか、自分でも検証してみる。

同時に時間が経つにつれ、味や食感に変化もあるのかも確かめてみることにした。

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検証は冷房を効かせた車内で行った

設定温度は24.5℃だ。

この日も外は30℃近い真夏日だったので送風口からは常に冷たい風が吹き付けていた。

実際の車内温度がどれくらいだったのかは、残念ながら測れていない。

味や食感の変化を確かめるため、移動しながら10分後、20分後、30分後と、10分ごとに停車して少しずつソフトクリームを食べている。

 

購入したなり

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購入間もないときに最初の味見

硬さ、冷たさ、ともに一般的なソフトクリームのものだった。

クリームの中の水分が凍っているからか、若干シャリッとした食感があった。

味そのものも普通のソフトクリームと近いものがある。おからで作られている分、牛乳のものとは何かが違う感じがするものの、冷たさが勝ってはっきりと「おから」を味わいわけれることは自分の舌では難しかった。

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このように少しずつ削るように食べた

ソフトの山が崩れない程度に少しだけ食べた。

以降、約10分ごとに同じように削って口に運び、その味と食感を確かめっていった。

 

10分後

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高さが若干低くなった気がする

本来ならどこかにカップを固定して同じ位置から撮影して初めて検証用の写真として使えるのであろうが、移動しながらであったため、ご容赦いただきたい。

固定していなくても、10分後には少し山が沈んだのがわかるのではないだろうか。

中央部を見ると、層になっていたところも沈んで階層が融合したようになってしまっている。この分、高さも低くなったのだと思われる。

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でも食べてみると液状ではない

中央部の階層が融合したと言っても液状になっているわけではない。

少し削って食べようとするとまだクリーム状であった。

ただ、最初に食べたときのような冷たさが影を潜め、固さもなくなりつつあった。

 

20分後

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購入から20分後にもチェック 

蓋の天辺から見ると山の高さそのものは10分後のときとあまり変わらない。

中央部の階層にしてもそうだ。

食べてみるとやや冷たさが残るもののぬるくなってきたなとの感想がある。

冷たさがなくなってきた分、味もまろやかになってきた。

 

30分後

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購入から30分後の様子

お店の方が言うには「30分くらいはもつ」と言っていた30分だ。

言っていたとおりグニャッと高さが低くなることはあっても液体になることはなかった。

自分としてはもっと沈むものだと思っていたので、想像以上に健闘していると思えた。

少し口に運んでみると、この頃には冷たい時の固さがなくなっていた。

まろやかさがさらに増し、味に深みが出て、その触感はHPにも書かれてあるように確かにババロアのようになってきた。

ここまで待ってみると、次には「ならあと30分待ってみるとどうなるのだろうか」という興味が湧いてきた。

購入から1時間経っても、やっぱりドロドロベタベタの液体になることはないのか、ババロアのようになってきた食感はどうなるのか、確かめてみたくなったのだ。

ということで、完食するのをもう少し我慢して、さらに30分間、様子を見てみることにした。

途中、15分後にも状態や味を確かめている。

 

45分後

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購入から45分経った様子

比較写真としてはナンセンスな撮り方をしているのでわかりづらいがソフトクリームの山の高さがもう一段下がったように見える。

この頃になるとその温度も冷たさがやや残る程度。

食べた時の食感もよりプルプルのババロアのようになっていた。

 

1時間後

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購入から1時間後

買ってから1時間待ってしまった。

普通のソフトクリームなら溶けてベタベタになっているだろう。

こちらは、まだもっている。

もっているが、山の高さが随分と低くなっているのがわかる。

中間部の断層もほとんど隙間がなくなっている。

これで液体じゃないのだから不思議だ。

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少しずつ食べたせいで採掘された山のように

1時間でも液体になることなくソフトクリームの形のままでいたこの商品。

さらに2時間、3時間と待てばどうなるかという興味も湧いたものの、さすがにこれ以上食べ物で遊ぶのは性に合わなかったので、検証はここまでにすることにした。

ちまちまと食べるのにもさすがに飽きてきたところだった。

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改めて、いただきます

1時間経った「溶けにくいソフトクリーム」は、その食感、温度ともに普通のソフトクリーではなくなっていた。

おからで作ったババロアというのが正解であると思う。

ソフトクリームとして食べると違和感があるが、ババロアだと思って食べると美味い。

購入したばかりの冷たくシャリッとしていた頃と比較すると1時間経った後のほうが味が濃厚に感じた。おかげで大豆の風味も舌の上で探しやすく、見つけたときには「あ、やっぱりおからでできているんだ」との発見がちょっとした感動になった。

 

結論

溶けにくいソフトクリームは1時間経っても溶けなかった。

ただし、食感や風味を考えると、1時間後には「ソフトクリーム」ではなくなっていると思って良い。

冷たいソフトクリームとして食べたい方は購入してすぐ食べるか、少し待つにしても20分くらいまでにしたほうが良いだろう。

今回、同じような写真ばかりが続いた記事になってしまったが、それだけこのソフトクリームが溶けなかったとご理解いただきご容赦いただけたらと思う。

なお、日本海藻食品研究所さんでは60℃まで上げても溶けない「ホットクリーム」なるものも昨年2016年10月に開発したらしい。

まだ、商品とはなっていないが、いつか食べられるようになったら、別の食品との組み合わせ等々色々と試してみたい。