能美市の石子町のとある休耕田では、毎年4月下旬から5月中旬まで色鮮やかな花絨毯がひろがる。
なんでも石子営農組合の方々が大豆栽培の土作りの一環として、レンゲソウやクリムソンクローバー、ハゼリソウの花を植えているそうなのだ。
大豆は窒素を多く吸収する植物だし、適度に水はけの良い土壌のほうがうまく育つしで、このように花といった有機物を投入することで畑の物理性(畑のこなれやすさや水はけの良さなど)を改善し、刈った花を肥料にすることで窒素を高めてやるそうなのだ。
そういった土作りに適した花はいくつかある。単に土作りだけを考えれば本当なら1種類でいいのかもしれないけれど、3種類植えることで地元の人たちの目を楽しませてくれているのだ。
今年は5月23日ぐらいまでで刈り取ってしまうというその期間限定の花絨毯を急ぎ足で撮りに行ってきた。
それは末信町交差点の傍にある
能美市の石子町のあの辺りは水田が多く、どこの休耕田でその花絨毯が見られるのか、初めて行く人からするとなかなかわかりづらい。
迷いそうになったときは、この「末信町」と書かれた信号機(交差点)を目印にすれば良い。
この信号機がある交差点の角に、花絨毯の休耕田があるのだ。
もしくは加賀佐野駅跡を目印に
むかしは鶴来町と根上町を結ぶ北陸鉄道能美線というのが走っていた。
1980年(昭和55年)9月13日を最後に全線廃止となり、この加賀佐野駅もなくなってしまったのだ。
この歴史跡の看板を正面にして右に進んでいくとその休耕田がある。
看板からすると左手にある
この駅跡は若干離れたところにあるのでわかりづらいかもしれないが、奥の水田がうっすらと色づいているのが見えるだろうか。
近づいてみると…
こんな感じで花絨毯
一番手前のピンク色がレンゲソウ、二列目の赤いのがクリムソンクローバー、その隣に黄色の麦を挟んで奥に薄紫のハゼリソウが植えられている。
ハゼリソウが見えづらいので反対側からも撮った。
反対側(信号側)から撮影
もうちょっと高い所から撮らないとグラデーションを写真に収められないと反省する。
プロのカメラマンとかは脚立を持ち歩いているようだけど、このときはその脚立が欲しくなった。
個別に撮る
まあ、自分のカメラとレンズでは結局接近するしかないので、それぞれの花に近寄って撮ってみた。
こちらがレンゲソウ
遠くから見るとピンク色に見えたが、近寄ってみると花びらの端は赤紫色にも見える。
こちらがクリムソンクローバー
赤が強いので、撮り方次第ではさらに群生っぽい画になる。
群生っぽい画
ホワイトバランスで赤みを足している。構図はいまいちだ。
こちらはハゼリソウ
群生感を出そうとするあまりどう見てもピントを間違えた気がする。
これも仕方ない。
ちなみに麦も撮った。
するとメインの三色の花以上に雰囲気良く撮れた。
麦だ
勝手に絵画みたいになってくれる。
ファインダーを通さなくても実際の麦はこんな感じで見える。
麦をよく黄金に例える気持ちがわかったと同時に、麦は被写体としてかなり優れた植物であると、このとき理解した。
構図を意識して
最後に構図を意識してこの花絨毯を撮ってみた。
といっても、自分は構図というものがまだ良くわかっていないので、初心者の直感だけで撮っている。
縦で一枚
横から一枚
どちらもクリムソンクローバーがメインになってしまった。
この鮮やかな赤はつい被写体として利用したくなる。
邪魔に思えた動かせない電柱も、とりあえず背景として利用してみた。
正解が不明なので、ベテランの人の意見を聞きたいものだ。
追記
このように期間限定ながら能美市の田園で花絨毯を鑑賞できる。
改めて記すと今年は5月23日くらいまでで刈り取られてしまう。
そのためか、写真を撮りに来ている人も結構いた。
中には職場の制服だと思われる格好のまま来ている人もいた。
まわりに駐車場がなく車で来た人は路駐することになる(広めの路側帯があるのでみんなだいたいそこで停めている)ので、道路交通法だけは注意したほうが良い。