来年2018年で開湯1300年を迎える粟津温泉で10月23日より石の彫刻展が行われていた。
石像による展示会、しかも町中に設置というのに惹かれて見に行ってきたので紹介したい。
小松の石彫刻展 in 粟津
日本遺産 小松の石彫刻展 in あわづ温泉
自分は知らなかったのだが、小松市には2000年の長い石文化があるそうだ。
「小松の石文化」は2016年に日本遺産にも認定されたという。
それを記念して昨年の今頃、「小松の石彫刻展」をこの粟津にて開催していたようで、今年2017年も催されたのだった。
彫刻に使われている石はもちろん小松で産出されたものだ。
作ったのは金沢市民芸術村の彫刻家(彫刻愛好者)の皆さんだそうで、アマチュアの方もいるようだ。
設置場所は粟津温泉の「総湯」、「足湯」、そしてスーパーひまわりの前にある「あづまや」の3箇所だった。
32人の作品が並ぶためなかなか数も多く、気になったものを中心に写真で紹介したいと思う。
足湯
久しぶりに粟津の足湯に
以前、当ブログでも紹介した「結びの足湯」(瞑想の足湯)だ。
(足湯を利用したときの記事は→こちら)
すでに見えているように、庭の飾りのように石の彫刻が置かれている。
この足湯では4つの作品が置かれていた。
例えばこちら
「炎暑の候 お末、竹松・総湯の帰り」という題名であった。
お末と竹松とは400年くらい前からこの粟津温泉に伝わる「おっしょべ物語」の登場人物だ。
この粟津温泉の宿屋の奉公人であるお末が、向かいの宿屋の奉公人である竹松に恋をする話だ。最後はハッピーエンドなものだから粟津温泉は「恋人の聖地」とも言われている。
足湯の駐車場にはこんな顔はめパネルもあるくらい
恋人の聖地だ。
なお、今年の石の彫刻展では「粟津温泉」にふさわしい作品を一点選んで投票することができる。(投票した方の中から抽選で1名に粟津温泉ペア宿泊券ももらえる)
投票で上位になった作品は一年間展示されるようだ。
「粟津温泉」にふさわしいという視点からいかにも粟津温泉らしい作品をまず紹介してみたが、こういったわかりやすい作品ばかりが並んでいるわけではない。
中には独創的なものもある。「ふさわしい」かそうでないかは見た人、投票する人の勝手なので、気楽に鑑賞して気楽に投票していけば良いと思われる。
あづまや
スーパーひまわりの前にある「あづまや」
「露天の湯 金閣」の側にある東屋が置かれたちょっとした広場だ。
ここには9つの作品が並んでいた。
このように独創的な作品もある
これで作品名が「太郎」とあったのだからオルタナ系だ。
こういうのも
こちらの作品名は「不思議なデザイン」だ。題名に「不思議」と付けてしまっているのだから、作者さんご本人にも理解不能な何かなのだろう。
総湯
あわづ温泉の総湯だ
残りの作品はすべてここに置かれていて、数も一番多い。
写真のように大きな看板が見やすい所に掲げられてあるのですぐわかる。
ここにも独創的なものが少なくなかった。
看板のすぐ近くにあった作品
一番最初に目につくであろう作品からして先鋭的だ。
作品タイトルは「君に似し」とあった。
裏もあり、そちらはこのようになっていた。
すごく印象に残る
自分には『ジョジョ』の石仮面やアンジェロ岩にも見えてきた。
これで君に似ているって、その人どんな顔をしているのだろうか。
変な想像ばかり膨らんでしまう。
自分がこういう正確だからか、自分が選ぶとどこかシュールなものばかりになってしまうので、ここで少しカワイイものも紹介したい。
猫がいた
タイトルは「グーとパー」とあった。
どういう意味だとじっくり観察すると…
後ろ足がグーとパーだった
チョキはないようだが、耳の形がチョキに見えなくもないので一人ジャンケンにも見えた。
動物をモチーフにした作品はこの他にもいくつかあるので、動物好きも楽しめると思う。
温泉に浸かるカピバラもいた
作品名は「カピバラも大好き!」とあった。自分はカピバラが大好きだ。
ほかにはアートらしい作品もあった。
たとえばこちら
「光陰流水」という作品名だった。
ガラスもはめ込まれたきれいな作品だ。自分の目には宝玉の入った剣のようにも見える。
投票用紙を手にこの作品名を写メしていた女性の方(鑑賞者)もいたので、一票入ったのではないだろうか。
人気投票一位になりそうな風格が確かにある作品だ。
一位と言えば、この総湯では昨年に金賞を取った作品も展示されていた。
2016年の金賞作品
昨年は人気投票というシステムがなかったそうなので、誰か権威のある人が選んだのだろう。
権威のある人が選ぶより、みんなで選ぶ… 今年から人気投票に切り替えたのは面白い取り組みだと思う。
総湯に投票所がある
投票箱も総湯に置かれている
郵送とかではなくその場で投票できるのだ。
「足湯」も「あづまや」もこの総湯の近くにあるので、どんな作品があったか覚えているうちに投票できた。
全作品が載っているカタログのようなものも箱の脇にある
忘れっぽい人でも大丈夫だ。
ちなみに自分、ここで投票しようとしていたとき、取材に来ていた中日新聞の記者さんに取材されてしまった。
ブログ用に撮影していたら取材されるという体験、そういえば前にもあった…
津幡の足湯に足を運んだときだ。
(津幡の足湯の記事は→こちら)
あのときも中日新聞の方だったと思う。
今回は、後ろ姿だけど写真もOKしてしまった…
一度は断ったけど、自分は頼まれるとつい協力してしまう性質(たち)だ。
でも、代わりに…
代わりに写真を撮らせて頂いた
こちらとしても後ろ姿で良いと言ったのに正面から撮らせてくれた。
懐の深い方だ。
記者さんを撮ってどうすんだって話だけど、記念だ。
自分はブログで取り扱うネタ(どこそこで〇〇が行われているといった情報)を新聞からも調達しているので、いつもお世話になっていますという感謝の意でもある。
(感謝になっているかは不明だが)
ついでに少し話もさせてもらえた。
新聞記者さんもこうして足を使って取材しているようで、いろいろ勉強になった。
なお、記者さんと話しながら投票用紙と投票箱のことで総湯のお店の方(女性)とも少し話した。
というのも…
投票箱にハチがいたのだ
スズメバチではないので危険なやつではない。それでも総湯の方が対処してくれた。
さらに、投票用紙の入ったケースの開け方がわからなかったので教えて貰った。
総湯のお店の方曰く、上から蓋をこじ開ければいいとのことだったので力任せに開けたけど、どうやらそのケース…
PULL(引く)タイプだった
総湯のお店の方もこのとき初めて知ったようだった。
総湯のお店の方があとで矢印を張っていた
これでわかりやすいだろうとのことだ。
ハチを対処したときも「かわいそうだけど天国に」といった類のことを言っていたし、優しくもユニークな方だった。この人に投票してもいいかもとも思ったくらいだ(全く関係ないけど)。
なんにせよ、そのケースの中に投票用紙があるので、この石の彫刻展に足を運んだ方は一票を投じてみてはいかがだろうか。
(今回紹介した作品はほんの一部なので、ほかにもいろんな変わった作品があります)
もちろん自分も投票した
自分は選挙権を得てから市議選含めてずっと欠かさず選挙に足を運んでいるような人間だ、投票しないわけがない。
どの作品に入れたかは…
書いてあるとおりだ。
最後に地図と駐車場情報
粟津温泉総湯の地図
粟津温泉は道が結構せまく、宿泊客でないと駐車場を探すのも苦労するところだ。
自分は総湯の南方にある 「おっしょべ公園」の駐車場に停めて歩いて向かった。
3台ほど止められる。
距離もそう遠くなく、散歩気分で足湯や総湯にたどり着ける。
作品を見に車でやって来て、ついでに粟津温泉を散策するというのもアリだろう。
その「小松の石彫刻展」は11月11日(土)までやっている。