金沢城、今度は青色に照らされる
今月11月のはじめ頃に児童虐待防止キャンペーンで金沢城の石川門がオレンジ色にライトアップされていたと、この「初心の趣」でも伝えたが、その二週間後に今度は金沢城が青色にライトアップされていた。
今回の青色は、「世界糖尿病デー」によるキャンペーンだった。糖尿病の世界的脅威を認知してもらうために、IDF(国際糖尿病連合)とWHO(世界保健機関)が毎年11月14日を「世界糖尿病デー」と制定しているそうだ。それにあわせ金沢城では今年11月12日~11月20日まで夜にブルーのライトアップをしていたのだ。
世界糖尿病デーのキャンペーンでは「ブルーサークル」という青いリングのようなものが用いられる。青いライトアップはそこからきているわけだ。
ちなみに11月は紅葉の季節ということで、金沢城の周りでは景色が赤い。
朝方に市役所方面へカメラを向けて撮った
玉泉院丸庭園の前の石垣からの景色だ。
水滴を撮っても赤に囲まれる
季節は秋、それも晩秋だろう。この季節の色のイメージに青はなかなかない。
ただ、空を見上げるとそのイメージも少しは変わる。
朝の秋空
晴れた秋空は澄んで青い。
特にこの写真は露出を暗めに設定してあるため、ことさらブルーに見える。
秋に、青が似合わないわけではない。
少なくとも自分はそう思って、その日の夜に金沢城を撮りに行った。
いざ、ライトアップを撮影
橋爪門と五十間長屋
思った以上に青かった…
辺りが暗いせいもあるが、爽快なスカイブルーとはまた違う色味だ。
あらゆる興奮を抑えるような、それこそ甘いものを食べたいといった欲望そのものを抑えるような静かな蒼だ。
前回、オレンジ色のときには自分の影で遊んでいたが、そういう気すら起きなかった。
(実際には光の強さがなくて影が見えづらかった)
そして、その静かさがまた怪しくも見えてくる。
逆さ富士のような画にもトライ
今回も堀の水面に映る櫓の写真を撮ってみた。
すると、これがまたおどろおどろしく仕上がってしまった。
さらに大きく撮る
こちらの一枚だと、水面に映ったものがゴーストに見えなくもない。
上下で表情が違いすぎる…
改めて記す。今回のブルーのライトアップは糖尿病の脅威を世界的に広く知ってもらう「世界糖尿病デー」のキャンペーンによるものだ。
今回自分が撮った写真の仕上がりはすべて偶然によるものだが、自分は自分の撮った写真を見て、はからずも糖尿病の「怖さ」と「恐怖」を思い知らされた気がした。
秋に青が似合う、似合わないとかそんな視点もどこかに吹き飛んでしまっていた…
感想
とはいえ、赤みと青色の組み合わせがまったく悪いと思ったわけでもない。
石川門ので一枚
こうして見ると、ブルーとオレンジ(赤みの一種)の組み合わせも、良いように思えてくる。
何ごとも極端はいけない。
糖尿病の認知に関しても、いっさい糖分や甘いものを摂るな食べるなという話ではないだろう。
「食欲の秋とは言え、糖分の摂り過ぎには気をつけた方がいい」
ブルーライトがこうを教えてくれていると、今回のライトアップの趣旨を自分は自分勝手に解釈するのであった。