奥能登国際芸術祭2023、大谷エリア内の国道249号線から県道28号線に入ってすぐの外浦にはキンキラの鳥居が佇んでいる。
2023の作品の中でも屈指の映えスポットなんじゃなかろうか。
外浦沿いのゴジラ岩の近く
スズ・シアター・ミュージアム分館も過ぎて国道249号線を走っていると、そのまま国道249号線に乗って若山エリアにいく道と、県道28号線に分かれて外浦の海沿いをさらに走っていく道とに別れていく。
大谷エリアにある作品は基本的に海沿いにあるので、作品No.の順に鑑賞していこうとすると、県道28号線を選ぶことになる。
順番で行くと次は作品番号No.6だ。
その作品は、分岐点からすぐで、珠洲市の外浦沿いの珍スポット「ゴジラ岩」の近くに展示されていた。
グーグルマップにも載っている
「能登のゴジラ岩」として載っているくらい、地元では知られている。
標識柱も立っているし、それを見物するための駐車場もあるくらいだ。
作品番号No.6の作品も、車で来るとその駐車場に停めることになる。
ゴジラ岩の標識柱だ
駐車場に停めると海岸に降りていく階段があり、その手前にこのように立てられている。
岩礁が有り、潮の満干次第では海の方に下りていくこともできる。
下りて近くまで歩いて見に行っている人もいるが、この柱の側からでも見ることができる。
こちらがゴジラ岩だ
ゴジラの頭部に見える岩がいる。
外裏は西側にあるので、夕日が沈む頃にやってきてもまた見え方が違ってくる。
それにしても、この日、いい天気だったな。
6番 ファイグ・アフメッド「自身への扉」
ゴジラ岩を近くで見るための階段を下りていくと、6番の作品がある。
すぐに階段を降りてしまいがちだが、作品看板とスタンプは駐車場にある。
6番だ
アゼルバイジャンの作家、ファイグ・アフメッドさんの「自身への扉」だ。
駐車場を正面にすると、左手に海岸へ下りていく階段があり、右手に作品看板がある。
そんなもので、どこでスタンプを押せばいいのか迷っている人もいた。
ここにも書かれてあるように、雨天時や満潮時は水かさが増すようで、海岸に降りないでくださいとのことだ。
一応、この駐車場からでも作品は見下ろすことができる。
このように(駐車場より撮影)
海岸にキンキラの大きな鳥居が立っている。
光の反射のせいで、こうして上から見ていると光学迷彩のように鳥居が海の景色に溶け込んでいるかのようにも見えてくる。
ここから観ていてもなかなか楽しい作品だが…
みんな近くで見たくなる
そして一緒に記念撮影をしたくなる。
ご覧のように天気がよく、干潮時には鳥居までの道ができているので砂浜に下りて近づくこともできるのだ。
もちろん自分も下りていった
こんな感じで道が続いている。
皆さん、普通にスニーカーを履いて下りていた。
道順に進んでいけば濡れずに済むこともあると思うが、自分は長靴を持ち込んでいたので、それに履き替えて下りていった。
皆さん、鳥居の少し手前で撮影の順番待ちをしていた
別に監視員や案内の人がいるわけでもないのに、鑑賞客それぞれの意志で一人ひとり(もしくは1グループずつ)順番に撮っていた。
こういう譲り合いというか、空気を読む強さというか、順番を守ろうとする能力って日本人的だと思う。
自分も待っていたら、いよいよ自分のターンとなったので…
渾身の一枚を撮ろうと試みる
いやぁ、この日はほんと、青空がきれいだった。
どうしてもその空を入れたくて、こんなアングルで撮っていた。
ちょっと近づくと水面に鳥居の姿を映り込ませることも
海岸からだと、下からアッパーに撮れるので、こんな構図にもできる。
何度もいうが、この日は空がきれいだったので、撮っていて気持ちよかった。
近づいてみよう
キラッキラだ。
小さなスパンコールが何枚もくっ付けられている。
しかも風になびくように取り付けられている
おかげで光の反射に動きがあり、風が吹いてもキラキラが変化するので視覚的に風を感じることもできる作りになっている。
また、エオリアンハープという風で鳴る楽器も取り付けられているとのことで、聴覚的にも風を感じられるんだとか。
あいにく、この日は風が吹いていなかったので主に聞こえるのは波の音だった。
鳥居そのものは東西を向いており、日の入りと日の出の間に立っているんだとか。
この鳥居の下に立っていると、日の出と日の入りの「光と風の響き」みたいなものを感じられるんじゃなかろうか。
真下で座禅を組んでいたら、凄いエネルギーを取り込めれそうな、そんな気がしてくる。
東側からも撮ってやろう
鳥居をくぐって東側に移動。
こちら側の砂浜は潮がだいぶ満ちていて道がなかったんだけど、自分は長靴を装備していたから浅い水の中を歩いてこの場所に着て、その水の上で撮影した。
写真が斜めになったのは… 撮影時に自分の中でよくある「斜めになってしまう病」だ。
足首まで水の中だったのでバランスをとるのが難しかった、と言い訳しておきたい。
なんなら横からも撮影
こちらも足首まで水に浸かりながら撮っている。
こんなことができるのも長靴だからだ。
長靴、用意しておいてよかった。
この準備の良さは、奥能登国際芸術祭を過去に2回すべて回ってきた経験によるものだ。
感想
ファイグ・アフメッドさんの「自身への扉」、いやぁ、天気がいいとロケーション的に撮るのが本当に気持ちいい作品だった。
「自身への扉」という題名から、もっとこの鳥居を観、くぐることで内面宇宙と向き合うようなテーマもあったと思うが、すっかり撮影に夢中になってしまっていた。
だって、映えるんだもん。
永遠のカメラ初心者の自分でもこれくらいは撮れたので、もっと高性能なカメラを持っていたり、フィルターをうまく使い分けたり、さらには撮影の感性や腕が良い人は、もっと素敵な写真を撮れるだろう。
夕方にやってきても、日没もそこに重なってくるから、さらに味のある写真になるんじゃなかろうか。
個人的に、奥能登国際芸術祭2023の作品の中でも屈指の写真映えするスポットなんじゃないかと思った。
記念撮影している人も多かった
一人で動いている自分にはなかなか難しいが、多くの人は鳥居と一緒に撮っていた。
人物を入れてももちろん映える場所であろう。
なんなら、人物を入れることで自身の内面と対話しているような画も演出できるかもしれない。
撮影欲がムンムンと湧いてくる… いい作品だ。